TRIOが最初に春日無線工業として出した、アマチュア受信機第1号が 6R4です。このセットは実際はコイルがスイッチでバンド切り替えする回路でしたが、回路図は簡略化しました。高周波増腹部を持たない直接アンテナからミキサーで、IF、検波、音声増幅、BFO、電源整流に各1球づつ使った5球スーパー+BFO1球という構成でした。
 この回路はポピュラーな 6BE6という 7極管を使ったLocal発振回路とミキサーを1球で行っている回路です。7極管といっても第2・4グリッドは接続されているし、第5グリッドはカソードと内部で繋がっているので、コントロールするのは3つのグリッドですが、カソードに繋がったローカル発振用コイルを第2・4グリッドに帰還して発振させており、その出力を第1グリッドに繋げています。アンテナから入力した信号は、第3グリッドに入って、ローカル発振と混合されて、プレートに繋がる 455kHzのIFT( IFトランス)に出力されます。真空管はハイインピーダンスでコイルのQが比較的高くとれ、高い電圧で動作しているので、結構ゲインがあったように思います。自作しても結構回路図どおりにつくるとちゃんと動作するので、昔はラジオのキットが結構売られていましたね。