100KHzから50KHzまで 10nV/√Hz という低雑音の電源回路です。簡単なリップルフィルターでは平滑用のコンデンサーに限界があるため、低域がどうしても雑音が多くなってしまう点、電源電圧が負荷によって変動してしまう点が弱点でしたが、高速OPアンプをうまく使うことで低雑音化を図っています。
 低雑音にはノウハウがありますが、まず感度の高い部分の抵抗値を下げることです。この回路では電圧設定用の 470Ωと 22Ωの部分ですが、分圧比によって基準電圧を作っている低雑音の基準電源IC LM4040の 4.1V との比で電圧を決めます。この抵抗値は最高でも 1KΩ程度に停めることが熱雑音に対して有効です。この基準電源ICの出力は4.7kΩと10uFで十分雑音を除去しています。この誤差を増幅するOPアンプは出力にツェナーダイオードを使って電圧をシフトして電源電圧の半分程度で動作するよう工夫しています。出力段のトランジスタをドライブする電流も FETの低電流回路を使用してノイズ発生を抑えています。出力段のコンデンサーはセラミックコンデンサーを使うと 高周波域のESR が低すぎて発振する恐れがありますので、タンタルコンデンサーかアルミ電解コンデンサーを使います。