
ICOM IC-710 の PLL と VCO 回路です。
実際は 1.8M/3.5M/7M/14M/21M/28M の6種類のVCOを切り替える回路ですが、簡略化して書きました。IF 9MHzのシングルスーパー用の局発なので、それぞれの周波数+9MHzを発振しているものと考えられます。
回路の特徴はバリキャップを2つ使って同調させますが、1つはD/Aコンバーターからの出力を使い、必要な大まかな範囲を合わせ込み、もう1つのバリキャップでロックする制御を行っているものと思われます。PLLのロックレンジの一番いいところに合わせられるように D/Aコンバーターをセットしているのかも知れません。
また電源関係ではオペアンプを+15Vなどの高電圧を使うのでなく、±8Vで使っていることから、バリキャップのアノード側に-8Vをかけておくことで、オペアンプがレールツーレールのものでなくても0V付近を使えて、かつ出力を-5Vから +5V程度まで効率よく使える工夫をしています。抵抗にダイオードを入れて、急速変化時に抵抗をバイパスさせる回路も使用されています。