ICOM 初期の IC700T のVOX(音声送受切り替えコントロール)ユニットの回路図です。最近はマイクアンプ用ICとコンパレーターICで作ってしまいますが、全てディスクリートで動作が分かりやすいと考えます。
マイクから入った信号は CR による高周波フィルタで、マイクのケーブルに乗る電波や、高域ノイズを増幅する前に落とします。1石でアンプした後変調用の信号と、VOX用の信号に分岐され、VOXゲインボリュームにてレベル合わせされた信号をトランス結合の2石アンプで増幅します。増幅された信号はダイオードの倍電圧整流回路で直接トランジスターのベースに電流を流しますが、ここには10kΩの抵抗とセラミックコンデンサー+電解コンデンサーで時定数を作っています。このトランジスターがONすることによって次のPNPトランジスタのベースをLOW側に引き込むことによって、エミッタに+のコントロール電圧を発生させます。このトランジスタのベースエミッタ間にあるコンデンサーで、音声がなくなった後の保持時間が決められています。このコントロール電圧によってリレー駆動用のトランジスタをONします。 尚、コントロール信号生成トランジスターのバイアス回路にスイッチを設け、マニュアルで送信する時のリレーONの働きをします。