
マイクアンプで、過入力の時にゲインを下げて歪むのを防止する ALC回路が入った物です。この回路は輸出用のCBトランシーバーに使っていた回路で、AM/FM/SSBに対応するために 5W程度のパワーアンプを駆動しています州が、SSB時には軽い負荷になりますので、過変調にならないよう工夫しています。
出力信号の検出は出力からコンデンサーでカップリングした出力を抵抗でバイアスしたダイオードの検波にて負の電圧に検波するようになっています。ここで重要な点は検波した信号を十分フィルタリングすることです。さもないと位相によっては正帰還となり低い周波数で発振することもあります。ここでは100uFもの大きなコンデンサーで平滑して音声信号帯域を除去しています。マイナスに整流された信号は 2SA1115のベースをドライブしてコレクタ/エミッタ間の抵抗値を下げます。それによってマイクから入力された信号が減衰して、過大出力を抑える働きをします。
回路によってはこのゲインを下げるトランジスターのエミッターコレクターを逆に接続する場合がありますが、接続によって電流増幅度が変わりますので、使うトランジスターによって歪み特性をみて変更すると良いかと思います。使う電圧レベルが高いオーディオの出力段で信号をON/OFFする用途は、コレクターを接地する場合が多いですね。コレクターエミッタ間の 2.2kΩの抵抗は忘れがちですがないと歪みが大きくなります。