かつて Digital Set Top Box 開発時によく使っていた 3Trのビデオアンプです。
電源が 12Vと余裕があるので、前段2つのトランジスタで直結アンプを構成し、最終段はエミッタフォロワーで出力電流を稼いでいます。
 図中の 1kΩのボリュームはゲインを変更するためで、画質的には固定抵抗の方が優秀ですが、明るさを合わせる等結構便利なので使っています。入力は ICスイッチ等からDC直結の場合が多いですが、0Vよりはある程度電圧が無いと同期パルスが動作しなくなるので、コンデンサーを入れています。出力回路も12V単電源ですので220uFと大きなコンデンサーでDCカットしています。ビデオのケーブルインピーダンスは75Ωが普通なので、これくらい大きくしないと明るい画面の時に同期がとれなくなったりします。このころはまだ高速オペアンプがポピュラーでなかったので、この回路はビデオ出力に多用しました。当時はスクランブル出力に必要だったり、モニター用やVTR用にに2〜3系統必要だったりして配置も結構苦労しました。周波数特性を良くするために電流も結構流すので、熱にも注意が必要です。図中の 56pFはビデオの高域でどうしても周波数特性が落ちてくるので、それを補う補正コンデンサーです。