FETを使う
FETを使うには
まず FETの種類については FETのはなしを参照ください。今回は比較的最近使われる MOS-FETを例に挙げますが、動作の基本は変わりません。
ハード的には
FETには 2SJ XXX という Pチャンネルのものと、 2SKXXXという Nチャンネルのものがあります。通常ソースをGND側にして、プラスの電圧をドレインにかけて使うのは Nチャンネルの 2SKXXXを使います。
ハイサイドスイッチなど、電源側をスイッチングしたい場合は Pチャンネルの 2SJXXXを使いますが、増幅回路ではあまり使われませんので、今回 Nチャンネルで説明します。
右図は代表的なソース接地増幅回路です。FETには特性上2つの種類があります。それはゲートバイアスが0Vの時に電流が流れる「ディプレッション型」と電流が流れない「エンハンスメント型」です。これはここで詳しく解説しています。 通常使うソース接地の回路ではソースに抵抗 Rs が入っています。これは特にディプレッション型に必要で、ゲートにマイナスバイアスをかけるために必要なのです。なぜかというと、この Rsによってドレイン電流(Id)に応じた電圧( Vs = Rs x Id)がソース端子に発生するからです。ゲートは RgによってGNDに落とされていますので電位は 0V、ソースは Vs となりますと、ソースから見るとゲートは -Vsにバイアスされているように見えます。 この働きでゲートにマイナスのバイアスをかけることが出来るのです。
また、このバイアス方法は熱などでドレイン電流が増えた場合にソース電位を上げ、結果としてゲートのマイナスバイアスをマイナス側に動かす効果があります。よってゲートがマイナス側に深くなるので、ドレイン電流が減って安定化されるということです。これはトランジスタのエミッター抵抗の働きと似ています。
ソフト的には
ソースが放熱版取り付け用のフランジになっているパワーFETはどうしたら良いでしょうか?
仕方が無いので、安定したマイナス電源をゲートに加えるほかありませんね。そのために専用のバイアスICやオペアンプでのバイアス回路など高周波のFETをバイアスするには結構苦労しています。
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