実践シリーズ

2012年7月10日 (火)

明日はテクノフロンティア RADブースです

明日は東京ビッグサイトで行われるテクノフロンティア 2012に出展するRAD社のブースで説明員として参加します。
この間 RF パワーアンプのコントロール用に開発した、LEDディスプレイのパネルメーターの実演やUSBを使った PCとのモニタ通信・リモートコントロールのデモを行います。
ハード的には
 10連バーLEDを2個づつ使って、FWD ,VSWRを表示するメーターとして構成し、他の温度や、アラーム表示のLEDはフルカラーLEDを使って、赤・緑・黄色・青色などを表示することから、総計80個もの LED素子をドライブするので、もちろんダイナミック駆動をしています。照光式スイッチもON/OFFで LEDを切り替えて点灯させるのですが、他のフルカラーLEDと輝度が違うので、表示のコモンドライブのデューティを変えて、フルカラーLEDを減光したときにスイッチLEDだけはデューティを変えないなど、細かい工夫も行いました。
ソフト的には
 USBを駆動出来る CPUを使ったので、シリアル互換の CDC クラスで通信を行っています。昔のRS232Cでのコマンドの様に通信で状態モニターやRF ON/OFFなど出来るよう豊富な機能を詰め込みましたが、やはり今時の使い勝手では悪い方になってしまうので、VB でコントロール用アプリケーションを作って気軽に使えるようにしてみました。がんばれば独自にパワーや温度の時間経過の記録保存なども作り込めるよう、ライブラリーを公開してゆくつもりです。ブースは東5ホール入り口からすぐです。20120710_162203


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 7日 (木)

実践OP-AMP設計

OP-AMP設計とは20110407_94036
ある電圧変化を、OP-AMPを使って希望する電圧変化に変換する回路を設計してみます。
ここではRF検波器のLTC5505-2を使った場合の出力電圧をマイコンに入力するための電圧変換器を設計してみたいと思います。このICはダイオードを使った検波器でパワーメーターなどリニアな検波特性が必要な場合に使われますが、小型で安価な点が良いですが、表の出力特性を見て頂ければ分かりますが、信号が無いとにには約 230mV程度出てしまっています。さらにダイオードを使っているだけなので、入力レベルが最大+18dBmと大きく、フルスケールを得るためには+10dBm程度を使います。そのとき出力レベルは2.4GHzで1.3V程度になっています。これをマイコンの0〜5Vレンジに合わせて出力を設計します。
ハード的にはOpamp_3
 回路は右図のように2個のOP-AMPを反転増幅回路で使います。電源は簡単のため、正負5Vの電源を使用し、OP-AMPはレールツーレールの入出力のものとして設計してみます。
1)まず2つのOP-AMPのゲイン配分を考えます。フルスケール入力電圧が1.3Vですので 5V程度にするには4倍程度の増幅度で済みますので、前段を1倍、後段を増幅度を調整できる4倍程度の増幅度として設計することにします。
2)次にゼロRF入力時の230mVというオフセットをどこで調整するかという点です。オフセット調整は反転増幅回路ならば+入力の電圧を変化させるだけなので簡単です。今回は増幅度が1の前段で行います。
3)それでは設計してみましょう。検波器の信号変化を高速で検出する必要がない場合は、比較的大きめの抵抗で増幅度を決定してもかまわないので、ここではよく使う値の 10kΩをR1,R2に使い増幅度を1と設計します。
4)次にオフセットの部分の回路です。230mVのオフセットなので電源電圧 +5Vからこの電圧を抵抗と半固定抵抗で分圧して作ります。まず半固定抵抗で調整可能範囲を 150mVから 300mV程度としましょう。半固定抵抗は可変範囲が少ないので 1kΩのものを使うとすると 1kΩで 150mVの変化量なので流れる電流を計算すると0.15V÷ 1kΩ=0.15mA  5V全体で計算すると 5V÷0.15mA =33kΩ 全体で 33kΩぐらい必要です。下側R3は150mV分ほしいので 150mV ÷ 0.15mA = 1kΩ R3=1kΩ、R4は 5V-0.3V= 4.7V 4.7V÷ 0.15mA = 31.3kΩ なので E24系列ならば 30kΩがあるので R4 = 30kΩとします。この場合の変化量を計算してみます。半固定の一番下側の電圧は 5V×( 1kΩ÷( 1+1+30kΩ))なので VrefL =5 x( 1/32) =156mV 最大は 同様に 5V×( (1+1kΩ)÷( 1+1+30kΩ))なので VrefL =5 x( 2/32) =313mV となり、ほぼ満足します。
5)このときV1を検証します。 RF = 0 ( Vin = 230mV )時はオフセット調整して 0Vにします。RF=+10dBm( Vin 1.3V) のときもオフセットの 320mV引かれますし、反転するので、出力は ( 1.3V-0.23V )× -1 = -1.07V となります。
6)次に出力段を計算します。フルスケール時をA/D変換の余裕を見て 5Vでなくすこし低い 4Vとします。すると増幅度は 4V÷ 1.07 = 3.7倍です。入力抵抗R5 はよく使う値で 10kΩにすれば、R5+VR2は3.7倍なので 37KΩとなります。増幅度修正度合いを多めにすれば、 VR2= 10kΩ ,R6 =30KΩとなります。このとき増幅度は 30倍から40倍に設定できます。半固定のセンターであわせたい場合は、VR2=10kΩの半分 5kΩで計算し、 37kΩ -5kΩ = 32kΩ となりますが32kΩはないので 33kΩにします。このとき増幅度は 33倍から43倍となります。
ソフト的には
 計算すれば、オフセット抵抗などVRの手持ちによって同じ10kΩの半固定で使うことも出来ます。その場合はR3=10kΩ,R4=300kΩとなります。しかしながら300kΩはかなりの高抵抗ですから、ノイズ発生やラインインピーダンスが高くなる懸念があります。そのような場合はVR1とR4の接続点とGND間にコンデンサーを入れてインピーダンスを下げるか、半固定の可変端子側にコンデンサーをGNDに入れます。OP-AMPの入力端子に大容量のコンデンサーをいれ、不安定になった場合はOP-AMP入力側にシリーズに1kΩ〜10kΩの抵抗を入れます。
*半固定抵抗周辺設計はポテンショメーターのはなしを参照下さい

| | コメント (0) | トラックバック (0)