最新トラ技と年末年始に読みたい本 3点
トラ技2012年1月号の特集は”アナログ回路はノイズと闘う”とのことなので、久しぶりにアナログ回路が話題になったので期待して読んでみた。
1)オーディオ OP アンプの測定と比較では、ポピュラーなOPアンプや測定されていて面白かったが、私としては測定のために作ったであろう 2Wパワーアンプについて、別の記事でもいいから詳しく載せて欲しかった。OPアンプを比較するための後段のアンプなんだからそれなりに苦労して設計してあるのだと感じるのだが...。
雑音に関しては、スペクトラム表示でのレベル(オクターブ歪みなど)と雑音、オシロでの波形など、いつも相関関係の説明が欠けているかと思うのだが、どうして出力が低い時がひずみ率が悪く、定格出力に近くなって最低になり、その後大きくなるかを判りやすく説明できれば、ビギナーのオーディオマニアにも受けるのではと思う。
真空管アンプなんて良いところでも 0.5% 程度の歪みで良い音出しているのも、歪み波形でちょっと理由が知りたくなる。
2) 〜3) はコモンモードの話。OPアンプに関心ない人はスルーしてしまいそうだが、実は差動増幅での大事な話。高速デジタル伝送でも差動伝送がキモになっていると思う。デジタルにも関係づけてくれると、応用が広がる。
5)の電流検出アンプ 6)の低雑音電源の記事は面白かった。出力雑音がスペクトラムで見えるのは判りやすい。ただ、もうちっと実用的な電流の製作記事があったらと思う。
総じてアナログ屋さん・計測関係向きの記事だったが、「実はデジタルにもアナログ技術が大事」って方向を期待してたのでちょっと残念。
それで、デジタル屋さん・アナログビギナーが年末年始に読んだらいいなというのを紹介します。
PICの書籍を沢山書いている 後藤哲也氏が書いた入門書。前半のアナログ回路の説明が秀逸。本書の半分の170ページぐらい読めば、デジタル関連の技術者が必要な事は判ると思う。1章だけ(70P)でもじっくり読んでほしい。後半は PICの入門書としても判りやすい。
回路シミュレータでストンとわかる! 最新アナログ電子回路のキホンのキホン
キホンのキホンと書いてあるが、けっこう応用まで書いてある。特に4-10の電源回路などはデジタル技術者や回路設計者でない人も読んでほしい内容。LTSpice のシミュレーションの記事もいい。
これは個人的に思い入れがある APPLE][ の話で大変面白かった。アナログではないけれど、チップセットやビデオドライバがない時代、コンピューターをゲートICで作っていた時代のソフト+ハードエンジニアの ウォズ が書いた Apple][ のファームウェアを解説してあります。
コンパチ基板を手に入れて、 CALL-151 なんてやってた時代が懐かしいです。
この機械でアッセンブラを覚えたのが、CPU入門のきっかけでした。仕事では HD6803?なんかの8インチのフロッピーが2台ついているマシンでカタコト言わせながら開発してました。