トラブル対策

2024年8月 2日 (金)

SwitchBot スマートプラグ 修理のはなし

SwitchBot スマートプラグ とは?

アプリや Apple HomeKit に対応した、電源ON/OFF ,消費電力モニターなどコンセントに直接挿してスイッチできるものです。

一昨年12月から使い始め、ホットカーペットを夜中にOFF、暖かい日中は OFF などスケジュールして電気代節約に一役買っていました。
特にホットカーペットによっては数時間で自動 OFFになる機種では、連続して使いたい時は一度 OFFしてすぐONすることで、連続使用も可能にしていました。冷蔵庫につけたのは消費電力のモニターで、最大どのくらい消費するのかを調べて、ソーラシステムでの非常時使用の電池容量の目安にしようと、1年以上調べていました。

 そんなつい先日、冷蔵庫を開けると中の照明がチカチカするではありませんか。「あれーバッテリー駆動にしてたっけ?」と自動切り替え機をOFFにして、商用電源に切り替えても同じ。見るとスマートプラグがチカチカしてON/OFFを繰り返していました。

 ネットの情報では、どうやら7月1日までは Switch Bot で同様の症状でリコールしていた製造番号なので、なにやら原因がありそうですね。
さっそく開封してみると、ケース中には褐色の液体の飛散した跡がそこらに...

Img_2151

犯人はこいつでした。

Img_2154 
 680uF/10Vの電解コンデンサーでしたね。何かの具合で高電圧がかかるか、製品自身の不良で圧力がかかって破裂したようです。

 調べてみると、普段は 5V しかかからないので、 10V耐圧で OK だし、温度仕様も -40℃+105℃と問題ないものの、直径 6mm長さ15mmで680uFとは、けっこう無理した大きさではないかと思いますね。470uF/16Vの OSコンに交換してめでたく復活しました。消費電力履歴も残っていたのでパソコンに保存しました。

 まだちょっと心配だけど、しばらく使ってみようと思います。

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2024年3月28日 (木)

ソーラ発電その後のはなし

ソーラ発電その後のはなしとは

 カーポートに1KWソーラーパネルを設置しシールドバッテリー6台パラで2KW 100Vインバーターを駆動したのが 2019年5月なので、はや5年近く稼働しています。といってもメインは事務所の照明と夏場のエアコン駆動がメインなのですが、最近はバッテリーがへたったのか曇りが続くと夜間照明時にインバーターがバッテリー低下のアラームを出すことがしばしばでした。それで、サブ用の リチウムイオン電池 12V100A を使って交互運用してみましたが、なんとなくソーラーパネルが弱っている様子。

 それで、この際別系統で実験しようと思い立ち、100Wパネル2枚と古い実験用 100Wパネルで、冷蔵庫専用の災害時緊急駆動バッテリーシステムをソーラー充電で実験しました。

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バッテリーインバーター電源とAC100Vの商用電源を自動で切り替える機器を導入して、バッテリーが電圧下がると自動で商用電源に切り替えるようにしました。しかしながら、昼間のバッテリーの充電時に満充電になって充電電力を捨てるのがもったいないことと、いつもフル充電しておいて非常時にフルに使いたいことを考え合わせると、対象となる冷蔵庫の夜間の非充電時は商用電源に切り替えておき、昼間はソーラーの電力で電気代を節約すればよいかなと考えています。現在は夜間は自動切り替え機器をOFFにして商用電源にしていますが、ソーラ充電器の機能を使えば自動でできそうな感じです。数日間の実験でちょっとリチウムイオン電池1個では夜間フルに冷蔵庫保持は難しいことが判り、冷蔵庫負荷時は最大100W程度消費するので 12V 100Ah = 1.2KWh  100Wで12時間とギリギリでは無いかと思い、2個に追加。ソーラパネル自体も定格 100Wというのは最大であって、冬の日中晴天でも 70%ぐらいしか発揮できない様子。おいおい追加していきます。

 そして、屋根に登ったついでに旧 160Wパネルを点検すると、現状 6枚を並列で使っているのですがなんと2枚しか動いていない!
そのうち3枚は接続コネクタの内部の端子カシメ部分で断線していました。なんとなく錆びて切れた様子。そのなかで1台がひどくて接続コネクタもおかしいし、配線が出ているボックスの中まで水が浸入したようで、中の配線のカシメ部分で断線していました。逆流防止のダイオードもボロボロになるくらい。他のパネルは大丈夫だったので、このパネルのパッキンがダメだったようです。

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配線にカシメ直してビス止めするように修復して復帰しました。最近の晴天時に充電量を計測すると 22V 30Aぐらいなので 660Wほど出ているので初期には戻ったようで一安心。やはり長期使用時は錆と水混入に注意が必要ですね。

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2024年2月29日 (木)

シリアル通信トラブル集( インターフェイス2024年3月号)のはなし

シリアル通信トラブル とは

かつて I2C などのトラブルについて多く書いていますが、最近のインターフェイス誌3月号の記事にも感心するものがありました。
特集でシリアル通信のトラブル、しかもハードについて多く書いてある書物はあまりないかと思います。

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すこし引用すると
[電気回路一般編]

1) 活線挿抜時の通信異常とラッチアップ
 AC電源機器同士の接続時の GND の大切さなど

2) 論理レベルの違いによる通信異常
 入力しきい値、レベルシフトの接続

3) ノード間の電源/GNDの差異
 ノード間の GND 電位差

4) 長距離を引き回すと、ノイズやクロストークで通信がおかしくなる
 電源線に乗る電流ノイズ・クロストークなど

[ハードウェア編]

5) UART 通信線からの逆給電トラブル
 電源OFFしても、マイコンが動作し続ける??

6) プルアップを付け忘れた
 I2C 動かない!

7) クロックストレッチ非対応コントローラー
 I2Cのクロックストレッチに対応してなかった..

8) クロック周波数が低くなる
 バスの静電容量が大きかったり、プルアップ抵抗が大きいなど
 波形の立ち上がりが遅すぎる場合

9) 終端抵抗の付け忘れ
 RS485  や CAN など短いケーブルで大丈夫だったけど現場で NG

その他、ソフトウェア編ではACK がこない、リピートスタートが必要だった、SDAラインのスタックなど
参考になる記事が多かったですね。

 

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2023年11月16日 (木)

パワーアンプ PROTECT故障のはなし

パワーアンプ PROTECT故障のはなしとは

 修理依頼の RAMSA WP-MP5 という、マイク入力・グライコ・コンプレッサー付きの多機能のモノアンプなのですが、PROTECTランプが付いて動作しなくなったというもの。試しに繋いでみると、なんと普通に動作している。「なんだー大丈夫じゃん」と思って信号を加えてスピーカーで聞いていると突然 PROTECT ランプがついて無音状態に。しかたがないので上蓋を開けてチェックするが、よくあるスピーカー出力のDCもれプロテクトじゃないかなと思って測って見ても 0V で問題ない。プロテクトランプの配線をたどっていくと、1つの経路はスピーカー ON/OFFのリレーをドライブするトランジスタに。もう一方は TA7317P というプロテクト用のICにたどり着いた。さっそく WEBでデーターシートを見ると、

Scrshot-20231116-213437

この使用例が参考になった。どうも 1Pin 2Pin 3Pinが制御入力で、6Pinがリレーを駆動しているようです。 7Pinは電源 ON時のミュート用の時定数を作っているようで、電圧を測ると 1Pin 0.12V  2Pin 0.1V 3Pin 0.05V とほとんど問題無いはず。各々の入力はトランジスタなので最低 ±0.6V程度になると ONするはずです。試しに 1Pin と GNDをショートさせると、普通にリレーが動作して立ち上がります。

 「電圧 0.12Vじゃ問題無いはず...」と思い、オシロでチェックすると、何と 1Pinに電源からマイナス電圧を加えている 100kΩの先がマイナス側だが、ほとんど矩形波になっていた。ここには 1uF が入っているはずだが、どうも容量抜けのようだ。とりあえず 0.47uF/100V のフィルムコンをいれると、波形がリップルを含んだぐらいのマイナス電圧になり、正常に動作するようになった。

 結局 テスターで電圧を測ると矩形波の中間電圧になるので 0.12V なのだが、瞬間的にはプラスになるのでここのトランジスターが ON してしまっていたようだ。やはりオシロで見るという事は結構大事では無いかと、再度確認した。

 フィルムコンを正式に半田付けして完了。電源 OFF 時のミュートも正常にかかるのを確認、エージング試験して修理完了。

 参考までに TA7317P の内部回路を以下に記録しておく。

Scrshot-20231116-213448

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2021年5月24日 (月)

ダイナミックマイクのロー抜け修理のはなし

ダイナミックマイクのロー抜けとは?

その1)古い、エレクトロボイスの RE-20 というビンテージマイクを預かって「治るなら修理して欲しい」とのこと。
症状は「コマ落ち」なる振動板の内側のイコライザーになっているプラスチックの円盤が、接着剤の劣化で外れて動き、マイクを動かすと振動板にあたってとてつもない爆音ノイズを出す症状がまず1つ。

 オーナーに断って、「振動板をカットしないと内側にあるコマ(イコライザー)を外せないので、多少の(結構大きいかも)特性劣化は勘弁」してもらって、使える程度に直そうと考えた。初めは接着剤を垂らすぐらいで止まるかと思ったが、内部に空洞があり、接着する面積が少ないので、一旦外さないと接着できないことが判り、さらに振動フィルムをカットしてこの問題に対処した。 Img_0201

コマを固定して、振動板を接着剤で端面のみ薄く接着し転がる音の爆音はなくなったので、テストしてみると低音が全然出てない。
どうやら、振動板についている振動コイルと内側の磁石との隙間に、ウレタンの分解した物やゴミがつまって外部の音、特に低音が拾えなくなるいわゆる「劣化の定番 ロー抜け」になっているようだ。

 対策1.しょうが無いから、まずスピーカーを近くで 50Hzぐらいで大音量で鳴らし、振動させれば動くようになるかと思い、数時間やってみたが、全くの効果無し。目で見ても振動板が動かないし、ちょっと無理だと諦めた。

 対策2. 発想を転換して「ダイナミックマイクって、スピーカーと同じ構造じゃん」とはたと考え、おそるおそる低周波発振器をユニットに繋いで鳴らしてみた。実際の音のあまり出ない領域 20Hz から 500Hz ぐらい動かして振動板が震えたり、共振音がするところで数時間放置してみた。こいつはちょっと効果があったみたいで、人の声がドナルドダッグだったのが、人間ぽくなってきた。でもまだいまいち...

 対策3. 今度は発振波形を正弦波でなく勢いのある矩形波にしてみたら、やたら大きな音で鳴ったので(マイクが鳴るというのも面白いが...)この波形で超低周波 5Hz で動かしてみた。すると振動板がポコポコ上下に動くのが判るくらい動くので、「しめしめ」とこの状態で6時間ぐらい動かしてみた。

 このマイクは内部ユニットをケースとウレタンスポンジに入れて止めてあるだけなので、奮発して高いウレタンを使ってケースに入れて組み立ててみた。
 基本的に単一指向性ユニットなので、きちんとケースに入れないと音質が判らなかったが、組み込んでテストしてみるとまだちょっと低域が足りないみたいだが、ボーカルとしてはどうせLOW CUT するので、まぁこんな物かと思って「改善品」として納入。はじめの爆音ノイズからしたら使える程度にはなったかと思う。

その2)また、外の人から ロー抜けの、鯨マイクなるZENNHIZER MD421 なるマイクがやってきた。

Img_0339 

今度は修理前の特性を取っておこうと、ヘッドホンに密着させてホワイトノイズで測定したのがこの写真。

Scrshot-20210209-115510

500HZ 以下が素晴らしいほどLOW CUT されていて、100Hz で 20dB 以上落ちている。50Hz以下はヘッドホンの実力もあり、あまり正確では無いかと思うが、全く出ていない。

 このマイクに前回と同じように、対策3を行った。今回は内部ユニットを出して振動状況を確認しようと思ったが、ユニット外すネジがシリコンゴムの様な物で止めてあったので、外して同じようにシリコンゴム加工出来ないので、外すのは止めてもっぱら音を聞きながら最小限のドライブで振動させるようにした。

 次の写真が 6時間後の特性(ヘッドホンの出力レベルの違いで、スケールがちょっと狂った)

Scrshot-20210221-102302

500Hzからダラ下がりだった特性が、200Hzぐらいに盛り上がりを見せ、100Hzも 対500Hzでは ほとんど変わらなくなった。
50Hzぐらいも500Hzとくらべても 10dB 程度の下降でヘッドホンの特性が出ているのかもしれない。
 AudioTechnica のマイクと比べるとまだLOWが出ていないようだが、こもりがなくてすっきりした音なので、これはこれで良いのかなと思う。

 その後 24時間ぐらい上記対策3とエージングしてみたが、特性的にはあまり変化無かった。

総じて、ムービングコイルの固着による LOW 抜けは完璧にではないが、使えなかったマイクがボーカル用程度には使えるように復活出来たので、世の中のもったいないLOW抜けビンテージマイクの復活には貢献できるかなとおもった。

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2020年6月19日 (金)

デジタルミキサーの修理

デジタルミキサーの修理とは

 最近のコロナ禍で、音響業界やサポート会社は仕事が減り大変だそうです。文化を保障する大事な仕事なのに、イベントはことごとく中止で転職をせまられる事態だそうです。ネットでも音響機器が格安で出展されるようになりました。

 そんなおり、デジタルミキサーの修理をしました。YAMAHA 03D という古い機種で、当時数十万もする高級機ですが、最近データー入力のロータリースイッチの動きが渋く、使いにくいようです。動かしてみると確かに動きが変です。イコライザー画面でゲインを変えようと時計回りに回すのですが、ちっとも変わらない。ちょっと強めに押さえ込んで回すと時計方向に回すのにゲインが減ります。逆に反時計方向に回せばプラスに変わるのですが、ちょっと変ですね?
 取説を探してチェックして見ても、「時計方向に回すと値が増えます」と書いてあります。これはロータリースイッチの劣化だなと考えて、パネルを開けてみました。両サイドのM4タッピングのネジを10本。背面の上側のM4タッピングを4本。手前下側の奥にある3本のM4ネジを外すと、制御パネルが手前に開きました。なかなかメンテナンスしやすい開きかたで、感心しました。
 ロータリースイッチはサブフレームの鈑金に取り付けられていたので、アクセスは簡単でした。きっとここは修理しやすい目的で、パネル本体基板と分かれているのでしょう。Img_3335

 ちょうど外の仕事で使っている、アルプスの全く同じ形状のスイッチがあったので、交換して回してみるとバッチリです。回転方向も時計方向に回せば増えます。かなり付いていたスイッチは劣化していたと言うことですね。このスイッチは確か秋月電子で買ったやつですね、もしかして結構使いにくくて使っている 03D ユーザーさんいるのでは... と思いました。

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2018年8月30日 (木)

仕様書は必ず作ろう・作ってもらおう

ご無沙汰です

最近、もうすぐ定年という人たちと仕事するようになって
結構困ったポイントがありました。
1)なんでも電話で片付けようとする。
 彼らにとって、メールや仕様書を書くよりも、「手書きメモ」「電話確認」
 が重要なのです。記録の残らない電話が大好き!
2) 仕様書は彼らの頭の中
 「これは、決まっています」「あたりまえです」「そうなってます」
 は、私の知らない当然の事項なのか....
3) 打ち合わせがようやくまとまった後、次の日電話がかかってきて
 「よく考えてみると、ちがいますね?」...打ち合わせでは、考えてなかったのか!
4) 「こっちでやりますから、ちょっと教えてください」の打ち合わせのはずが
 「ソフト変えるなんて、2〜3日でできるでしょ、やってください。」
5) 担当者Aが「確認しました、OKです」メールの後で
 別の担当者Bメール 「これってできていないんじゃないですか?」
  .....社内でまとめてよ!
やっぱり、ツーカーで分かりあえると思った相手でも、それはアナログ世代の強者
ちゃんと仕様書を取り交わして、承認もらうプロセスを省いてはいけませんね。
どちら側にも、事情があるし、会社組織の中でのつきあいです。
今回はけっこう勉強になりました。
仕様書の存在がまた見直されそうです

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2017年11月 2日 (木)

PIC デバッガ ICD3 のエラー

ちょっと ここのところ PICの デバッガ ICD3 のエラーでトラブっていたので

リマインダー兼ねて、書いておきます。
Unknown
 ことは、PIC18F のソフトを書き込もうとして、 MPLAB IDE で ICD3 というデバッガを使おうとしたのですが、 ICD3 自体は認識されるのですが、デバイスをつなげて 電源 ON しても

ICD3Err0035: Failed to get Device ID.
( デバイス ID の取得に失敗しました。)

 と言うエラーメッセージで、デバイスの IDが読めないと言うのです。
出先だったので、コネクタの接触不良かと思って掃除したり、コネクタの導通をチェックしたりしましたが、治りません。「こりゃ壊れたか?」と思い、うちに帰ってもう1つの違った機種で使っている ICD3 でも、既存の動作確認詰みの CPUボードで試したのですが、こっちも同じエラーガ出てきました。

 こりゃ パソコンのドライバーがおかしくなったのかと、違うノートパソコン上の MPLAB IDE で動作させても、全く同じ現象でした。

 しかたが無いのでネットで情報を探すと、日本で無く本場 Microchip のユーザーコミュニティでこの問題が取り上げられていました。読んでいくとどうやら ICD3 のファームウェアを元に戻せば良いようです。
 「ここでダウンロード出来る」「ここに書き込んである」とかリンクをたどってもなかなかファイルは見つからず、途方に暮れていたのですが、ヒントは MPLAB IDE のメニューで更新できるとの文章でした。

MPLAB IDE の Debugger -> Setting... でウィンドウを開き
Configuration タブで表示される
Manual Download のボタンです。

これを押すと、選択 ウィンドウが出てきて、その中にあるじゃ無いですか...
最初にインストールしたときの ファームウェアファイルが..

ICD3FW_012890.jam

です。

 これをロードして、めでたく復帰しました。

 この一連の騒動は、 PICの新しい開発環境 MPLABX で ICD3を接続して使ったことから、 ICD3 のファームウェアを更新されてしまったことが原因なのでした。

たぶん「ファームウェアを更新するけどいいか?」というダイアログが出たのでしょうけど、「新しいファームなら、古い環境も大丈夫だろう...」と安易に OK してしまったのでしょうね。きっと Microchip さんは「いいかげん新しい環境にしてよ!」って心境なのでしょう...

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2016年4月21日 (木)

失敗から学ぶのはなし

失敗から学ぶのはなしとは

 最近買った本が以下の

電子工作は失敗から学べ!

 です。
 この作者は下記の

電子工作入門以前
の作者なので、ちょっと興味を引いたので
読んでみました。


 最初に抵抗を燃やしてみる話やコンデンサがパンクした話などで失敗の原因を解説しているのがなかなかだと思った。
 しかしながら、最初の製作記事が「安定化電源の製作」なのですが、昔は電源は鬼門で奥が深く、それこそ失敗の宝庫でしたが、今回は LM338 というIC一発で、それほどハードルが高くはないようです。確かに電源が1コあると色々な製作が出来るので便利です。
 ゲルマニウムラジオ(最近はショットキーダイオードを使うのですが)の製作から1ICのAMラジオなど PIC を使ったデーターロガーまで、結構なレベルまでの製作記事になっています。
 ただちょっと残念なのが、もうちょっと色々な失敗談があるのかと思ったらそうでもなくて、「失敗しやすいです」的な指摘に留まっている点かな?
 この本に刺激されて、もうちょっと失敗談を思い出して書いてみようかと思いました。
筆者も述べていますが、「動かないときこそチャンス」です。失敗してその原因を見つけた経験は、一生忘れませんね

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2014年5月 2日 (金)

電源が違う信号接続のはなし

電源が違う信号接続のはなしとはOd_connect

アナログ用とデジタル用とが電源が別だったり、マイコン用の5Vとリレー駆動用の電源が24Vなどで異なり、駆動部の電源が別などの場合、タイミングによっては相手先がまだ電源ONになっていない場合や、省電力のため電源を落としている場合があったりして、マイコン側で High を出力した場合に、思わぬ大電流が流れてトラブることがあります。
 左の図の一番上は、このようなトラブルが起こる原因を示しています。特に CMOS出力とCMOS入力が接続された場合、相手側の電源が入っていないと、入力側ICのポートの保護ダイオードによって入力されたHighレベルの信号が相手側のVdd電源ラインを通じてGNDに落ちてしまうからです。
 相手側電源にあまり他のデバイスが繋がっていない場合には相手側 Vcc が0Vより上昇する程度ですが、他に繋がっている場合電流が流れ、出力側の ICが発熱したり、壊れたりします。
解決策は?
一番単純なのは、受け側にトランジスタ等を使って、抵抗で電流制限して ON/OFFを受け取る方法です。(図の中央)、出力された High 信号は比較的大きな抵抗 R で制限されますので、受け側の電源に関係なく出力出来ます。リレー等のドライブに電源電圧が異なる場合等の対策にも使われます。
しかしながら、比較的高速で ON/OFFしたい場合は、トランジスタでは問題になります。その場合は出力側のポートをオープンドレイン出力にします。
マイコン等のポート設定で Vdd側のトランジスタを OFFしてオープンドレイン出力が出来るものも多くなっていますので、この設定にして、出力ポートを Hign レベルにするのには、プルアップ抵抗R を使ってHighレベルを確保します。この抵抗は高速にする場合は数 kΩまで下げる場合が必要ですが、 I2C 通信等では相手先のドライブ能力等も考慮して通常 10kΩ〜4.7kΩ程度が用いられます。
またオープンドレインで、プルアップ抵抗を相手側の Vdd に接続することにより、例えば出力側電源が 5Vであり、相手先が 3.3Vなどの電圧が異なる場合の伝達にも使われます。

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