アナログ

2022年5月 2日 (月)

AMAZON の1300円のアンプボードを買ってみたはなし

AMAZON の1300円のアンプボードとは

SODIAL 40W + 40W TDA8944ステレオオーディオアンプボード

で、本当に 40W出るのか心配だったが(結局誇大広告だった)安かったので買ってみました。
表題はICの機種が TDA8944 と書いてあるのだが、基板上は TDA8946A となっている。
放熱板を外しても、ICが裏面付けなので型番が確認出来なかった。
仮に TDA8944 だと 7W x 2 なので、こっちならばスペック偽証の返品ものですね。
(ページには TDA8944/8946 と2とおり書いてあるが ...パワーは?)

●12Vの安定化電源を使って、信号発生器で 1KHzをLINE 入力に入れてスピーカーの代わりに 8Ω 50Wのダミーで動かしてオシロスコープで波形を見ました。おそるおそるボリュームを上げていくと、正弦波の頭付近に高域発振の波形がリンギングみたいに出てきました。
 たぶん、スピーカーでは聞こえない 100KHz以上の波形なので、良しとしたのか気がつかなかったのか?
 でもちょっと見苦しいですね、不要なノイズを出しまくっているようで、おもわず「このアンプはデジタルアンプだったっけ?」とTA8946Aを調べてみても、普通の BTL の2CHアンプです。データーシートには出力の高域発振止め対策など書いてないので、高域の回り込み発振のようです。データーシートを見ると、このICは 2x 15W とあるので、40Wは無理ですね。ピークでは出るカモです。

 結構これは手強くて、パターン強化や電源端子にフィルムコンデンサを追加したぐらいではびくともせず、GND間に 220PFと0.5uH ぐらいのコイルで弱くなるけど、空芯コイルでは大きいし、とりあえず220PFフィルムコンデンサーと10mmφぐらいのトロイダルコイルに2ターン巻いて BTL 出力間に付けて止めました。これで発振は止まったみたい。

●ライン入力に iPod から音楽入れてそこそこ大きめに鳴らして、マイク入力のゲインを上げると今度は低域でボコボコという発振音。
 マイク入力をショートしても出るので、電源が怪しいと思ってマイクアンプの OP-AMPの電源に 470uF 付けても全く変化無し。
 そもそも、アンプIC付近で電源がふらついているので、基板上の 820uF x 2 を外して、 3300uF/50V に変更。だいぶ良くなったがマイク端子をオープンにしたときに、やはり振られて発振気味。音も何かクリアーでない感じ。
 そこで、ICの Vcc と GND 間にもう1個 3300uF を直接追加。これで、ピタッと安定しました。

●BTL のアンプなので、オシロで負荷波形を測定しようとすると GNDがSP- に繋げなければならなくなってしまうので、信号発振器と GND 分離する必要があるので、 BLT モード全体での出力はオシロではまだ測定してません。 片方出力と GND 間で見るとそこそこ Vcc まで出ているので BTL動作は大丈夫な様です。使っているコンデンサーがほとんど積層セラミックだし、フィルムコンデンサーを使っているのは IC入力 +/- 間の 1800PF とトーンコントロールの一部なので、これらセラミックコンデンサーを変えたら良くなるかな?と思いました。
 データーシートには 8Ω負荷でしか特性が書いてなかったので、やはり 15W それも 18V で MAXの様ですね。

PS: 後で、データーシートを見たら、 220nF と 4Ω で発振止めみたいな回路を見つけました。これもやってみようかな..

色々改造したら以下写真のようになってしまいました。50Vの電解コンデンサー2個の方が基板価格より高くなってるかも...

Img_0746

*ここからは 後日測定結果

実際に使用した負荷は 5Ω でした。
1)BTLの片出力( SP - )と GND間では クリップ直前では 8V p-p でした。
2)BTL のパワー計算では これをBTL 接続すると、正負になって波高は2倍になりますので 16V p-p
3)実効値を求めるには負のサイクルを正側に折り返すので(ダイオードで両波整流するみたいに)1/2になります。
4)これから実効電圧Vrms は 16V÷2÷√2 = 5.65V
5)パワーは P = E^2 ÷ RL =5.65x5.65÷ 5 =6.4W となります。

ちなみに電源電圧を18Vに上げたら、10V p-p 出たのでパワーは 9.9Wとなりました。
 P-P パワーとして見れば、 10x 10 ÷ 5 = 20W ,4Ω負荷なら 25W となりますね。

TA8946Aのデーターシートでは THD 0.5%で 11.5W ( @18V) THD 10%で 15Wとなっていました。
やっぱり 40Wは誇大広告でしたね。

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2022年3月25日 (金)

犯人はやっぱり!

犯人はやっぱり とは...

 この「やっぱり」は修理依頼された古いDCアンプ構成のプリアンプの故障の原因なのですが、やってきた当初はボリュームを回すと典型的なガリでした。

 それで、すぐにクリック付きオーディオ用ボリュームを発注して、とにかく原因を探ろうとボリュームの部分を抵抗に置き換えて配線して、問題無いかチェックを始めました。しかしながら、低い抵抗値(ボリューム小付近の近似抵抗)では良いのですが、中程度の抵抗にすると音が何かおかしい...もう1つの BALANCE ボリュームを回すとまたここからもガリが出てしまいました。あわてて NM型(バランス用に使うボリュームの変化型)のも追加注文しました。

 その2点を抵抗でバイパスして、オシロで入出力特性をみてると、これはなんとも凄いプリアンプで、電源を±75V も使っているせいか、入力を15V p-p いれてもびくともせず、クリップしないじゃないですか。諦めて各部の電圧を見るとツェナーダイオードの電圧が3カ所でおかしい。
 LとR別々の基板なので、比較してみると片方が 35V あるのに片方は0Vなので、こりゃ壊れてると思ってさっそくツェナーダイオードを注文。探しても 35V 1W は無くて、とりあえずチェックだけでもと30V 1W で注文。でも、オシロで見る限りこの状態でも歪んでないのですよね...どこかの部品に負担になってるのかと思いながら部品到着を待ちました。

 そうこうしているうちにボリュームが到着。シャフトの長さが短いので、取付板のスペサーを減らしてつまみが付くように調整。発振器からのテスト信号を聞きながら、ボリュームチェックして問題無くバランスボリュームもOKでした。オシロの FFT 機能で高調波をみても歪みがほとんど無いのを確認。それでいよいよツェナー交換ですが、外したツェナーをテスターでチェックすると「ショートしてない?」ちゃんと生きているようです。で...犯人はタンタルコンデンサ ツェナーの雑音を消すのに使っているタンタルコンデンサーなのですが、35Vのツェナーとパラに付いているのが、4.7uF / 35V ニチコンの日本製だからって、規格ギリギリではまずいでしょう。しっかり導通がありました。ショートに近い数十Ωの導通なのでこれで電圧が 0V になってたのですね。あわてて 100V耐圧のフィルムコンデンサーを発注しました。使っている8個のタンタルを全部交換しました。これで一安心。

 と思ってアンプに繋いで iPod からの音楽を聴くと、ゲインが少ないし音が歪んでいる。?????????
オシロでは綺麗に出てるんですよ。タンタルでないとダメなのか?どこか高域で発振しているのか???
と思って、入力段の差動トランジスタをちょこっと触るとポコッて音がして正常になるのです。
でも電源を1回切ると、まだダメ。入力に発振防止のコンデンサー入れたり、バイアス調整をしてもダメ。

 オシロスコープで 1Vp-p ぐらいの波形で測定した時は全く問題無いのになぜ???

 1晩悩みました。そうだ、明日基板から回路を起こして正常時と立ち上げ時の違いをオシロで見てチェックしよう..スヤスヤ...

 次の日です。オシロで帰還抵抗で入力段の差動トランジスタのベースに戻る場所を(負帰還の所です)見ながら、トランジスタを触ってゲインが戻ったり、ダメな歪んでる時の信号を比較しようとしていた時です。

 ライン出力のコネクタの信号レベルが低いのに、ここは全く変化無いのです。

 では最終段トランジスタの出力は?と見ると、ここも全く変化無いのです。

 そう 犯人はやっぱり「可動部分」「メカ部品」である、出力ミューティングの「リレーの接点劣化」でした。

 接点が劣化して半導体状態になっているところに、初段のトランジスタのベースをちょこっと触ると出力のDCが大幅にずれ、接点に電流が流れて接点抵抗が下がったのでしょう。一度つながると抵抗値が下がるのですが、電源OFFで接点が切れると同じ状態に戻ったのでしょう。リレーを外して接点を見ると真っ黒。在庫の小型リレーに交換して一件落着。

やっぱり、可動部分ですよ 犯人は...

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2022年1月10日 (月)

2022 1月 今月のトラ技(2月号)を読んで

今回はトラ技の記事から

特集はパワーエレで、SiC や GaN の記事もあるが、今回はコンデンサーです。

P144にある「直流バイアス付きコンデンサ容量計」の記事ですが、4回目で製作記事は終わりさまざまなコンデンサのバイアス特性を調べています。積層セラミックコンデンサーなどは、電圧をかけない時とかけた時では容量が変わるという事は記事などで理解していたが、実測のデーターを見るのは初めてでした。積層セラミックコンデンサの出始めに「容量の多きいやつは十分大きな容量にしないと使えない」などと経験から分かっており、中華製のDC/DCなど多用しているのを見るとちょっと心配でしたが、今回の記事で概要がわかりました。

 詳細な記事は「トラ技2022年2月号」を見て頂くとして、自分でもチェックしてみようと手持ちの容量計と電源を使って、測定してみました。電圧をかけるので、容量計と直列に 10uF 程度のコンデンサーと対象のC,電圧は 1MΩ  の抵抗やインダクタで影響の出ないようにして測定してみました。下がその写真。

Img_0586

最初に 中華コンデンサキットの中のセラミックコンデンサー 1nF/50V
1V ... 1n  ,10V ...1n ,20V...1n と結構優秀です。

それでは 0.1uF/50V ( 100nF 写真の右上茶色いやつ) はと
1V... 84n ,10V...51n ,20V ... 25n と結構減りますね。 

同じシリーズで 10uF/50V は
1V ... 8.7uF,10V...4.5uF ,20V...2.3uF  全然ダメですね
(この時は直列のコンデンサーに100uF/35Vの電解コンを並列にしました)

よく使う 青色(写真右下)の 0.1uF/50V( 100nF)は
1V ... 110n ,10V...60n ,20V...36n とこれも結構減ります。

それではと、フィルムコンデンサー0.47uF/50Vを測ってみました。写真中央
1V...0.45u ,10V ... 0.42u ,20V...0.36u と善戦しています

最後にオーディオ用のフィルムコンデンサー0.1uF/50V (写真接続中)
1V... 0.087u  ,10V..0.078u ,20V 0.058u

概して積層したものは電圧をかけると減る傾向が大きいが、記事では昔の単板セラミックコンデンサーの優秀さが記載されていました。
電圧の低いところや、十分な余裕を持たせた設計が必要ですね。

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2021年11月 8日 (月)

Nakamichi 700 の修理2

今回は以前入手した Nakamichi 700 カセットデッキの、懸案部分を修理した。

1)出力ボリュームのガリ対策。
  木製ケースをビス4本で外して、ボリュームつまみを全て外しアルミの下側枠を外すと、黒いフロントパネルが外れるのでその部分からボリュームにアクセスできる。結構長い軸のボリュームなので、代替品を探したが、ちょうど古いカーステレオのボリュームが長さ的には合いそうだ。オリジナルは 10KΩの2連(外軸・中軸でL/R)だが交換したのは普通の2連で 50KΩ A でしたが、回路を見ると結構ハイインピーダンスの部分だったので、よしとする。
 ビス4本でボリューム取り付けパネルが外れる。ボリューム基板はマザー基板にコネクタで刺さっている+直付け配線数カ所なので、手前に外してボリュームを取り出す。片面基板なので、半田を吸い取ってボリュームは簡単に外れた。交換用のボリュームはリードからげ端子なので、銀メッキ線でからげて半田して、基板半田付け端子として出す。
 構成している基板はカードエッジコネクタ形式が多くて動かすとノイズが出るので、簡単に洗浄して基板抑えを再度行って止めた。
 この点は問題無く完了。ガリがなくなったのを確認。

Img_0491_20211108110101

2) 次はテープ走行の不安定さ。電源ON後は調子良いが、時間がたつとすぐに止まってしまったりする。テープカウンタも動かないので、テープ走行検出あたりが、ベルトが切れたかと思って裏面を確認する。Img_0490_20211108110101
モータから2本のベルトが出ているが、フライホイールを回す幅広ベルトでない奥のベルトが緩いようなので、手持ちのベルトと替えたがあまり効果がない。表側の扉・カセットケースを外して、銀色のフロントパネルを外してテープカウンタあたりを確認。ベルトは回っているがカウンターが動かないので、外して手で回してみると固着していた。CRCで注意深く(プラスチック部分に付けないように)洗浄して回るようになった。ついでにベルトも交換したかったが、結構長いので手持ちに合うものがなかったので、洗浄してそのまま使った。これでカウンターは回るようになった、カウンターメモリーストップも動作した。

 そんな事をしていると、いよいよ不調になってきて、プレイボタンを押し続けないとすぐに止まってしまうようになった。Img_0489

 仕方が無く、コントロール基板を外してテープ走行センサーパルスをオシロで見たが、正常に出ている。これがコントロール回路の何処に行ってるか、NETで見つけたサービスマニュアルの基板図で確認するが、パターンが潰れて部品番号と重なったりして見にくくて大変。ようやく見つけたパルス波形のコンデンサ充電波形を見ると、マニュアルの図とちょっとおかしいが動いている。
 そして、シャットダウンに繋がるトランジスタのコレクタを見ると、どうもノイズが乗っている。これではすぐにシャットダウンするはずだ。このトランジスタでなくこのベースにバイアス電流を加える Q609 2SA733 が怪しい。外して B-C  /B-E ダイオード特性などチェックするが問題無い。このトランジスタをつけなければ、ノイズが出ないのを確認して再度取り付けた。取り付けする際基板上の穴がちょっと汚いので、トランジスタをよく見るとベースに半田がくずのようにリード線にまとわりついていた。ここがイモ半田になってベースが浮いていた可能性があった。オープンになっていると周囲の影響で電流がノイズとして流れていたようだ。きちんと半田付けして動作確認。
 このコントロール基板は右側の取り付け金具をワニ口クリップで本体に落としてやらないと動作しない。マニュアルにもあとで見ると書いてあったが、始めは壊したかと思ってちょっとあせった。

 どうにか安定して動作するとテープを走行して動かしていると、また何度も止まるようになった。
「ありゃーまだダメか?」と思ったら、テープエンドでした。

今回はこれで何とか、聞けるようになった。いままで、Nakamichi 600 (2ヘッド機)だと High ポジションモード聞くと高音が物足りなかったテープでも、 700 で聞くとバランスが良いのかちゃんと High ポジションモードで十分な音が出てます。時間が出来たらマニュアルに沿って録音再生を再調整してみようかな。

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2021年10月12日 (火)

今月のトラ技

今月号2021年11月号のトラ技はアナログとRF観点からの特集で、最近感じている「デジタルってもうRFじゃない?」の現実を明らかにしているようです。

1)昔のデジタルはいわゆる TTL って動作はだいたい最高 10MHz 、特に早くて25MHzぐらいが限界。
 私の使っていたマイコン Z-80 なんかはクロックが 8MHzだったので、特に高周波的に気にすることはありませんでした。
 10MHzって波長でみると30mなので、回路上1/4λなんて気にしなくてもいいし、そんなに長いパターンは使わなかった。

2) ところが、最近のCPUは組み込みでも 1GHzなんてのがあるし、メモリアクセスクロックも数百MHzって出ています。
  そういえば、メモリのバスパターン配線に「長さを揃えろ!」って MPEG2 デコード LSIのころから言われてきました。
 1GHzでは波長は 30cmで 1/4λでは7.5cm なので、ちょっとした配線では遅延が問題になってきているようです。

3) そして最近驚いているのは、自動車レーダーに使う 28GHz あたりの信号発生・受信LSIがワンチップなこと
  まさにチップの中なら、数十GHZでも動作出来る時代なのですね。

今月号の 第1部、第2部はそんな最近のアナログ技術の入門には良いかと思います。

*LPFの例では、判りやすいけど 初心者には「パーターンの幅が細すぎたー」とか「GNDスルーホールないと特性悪化」なんて
 例のほうが、実際にありそうでいいかと思った。

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2020年12月19日 (土)

ALL JFET Mic AMP のはなし

 大分前に基板をつくったまま、実装をはじめて抵抗(15KΩ)が足りなくて頓挫していた基板をようやく動作させました。
元々は 無線と実験 2016年4月号の記事にあった フィデリックスという会社が作った特注のマイクアンプ MA8の回路から起こした物です。
マイクアンプ用なので、ファンタム電源の 48Vの供給回路が特種だったのですが、残念ながら今回この電源部は省略して(後付できるから)メインの全段JFET 構成のプリアンプ部を再現しました。というのもこのアンプの前段のデュアル FET 2SK389の入手が難しく、オークションでジャンクのシグマポータブルミキサーから外して再現できた貴重な回路です。

 組み上がって、ゲインを100倍ぐらいにして特性を取りました。出力波形が14V P-P ぐらいまで綺麗に出ているので、ゲインを変化させるとなぜか 10倍ぐらいにゲインを減らしていくと波形が歪んでふらふらするのです。主にマイクアンプ用途のためあまり低いゲインでは高域で発振するようで、オシロのスペアナモードで見たら6MHzぐらいで発振していました。

 全体のゲインコントロールを変えて、100倍程度までは大丈夫のようなので、これで歪み測定などしてみるつもりです。

  この基板は API500 という規格に合うような基板サイズです。

今回はこの辺まで...

Ma8

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2020年8月21日 (金)

AM変調度のはなし

AM変調度のはなしとは

AMは( amplitude modulation :振幅変調)といって、高周波信号に音声などを付加する方式の1つで、いわゆるAMラジオ放送といえばポピュラーだと思います。対して FM( Frequency modulation:周波数変調)はFMラジオ放送ですね。
AMは図の様にAmod_20200916161301
、キャリア(いちばん上の図)と呼ばれる高周波信号に振幅を変えて変調波を加える方式(右図2番目)です。 

 これら上から2つの図はオシロスコープで見た場合の図ですが、キャリアのレベルをLc として、変調波のレベルを Lm としたときに、変調度はどのように計算するかというと、この2番目の図からも明らかの様に、変調波は上下対称波形なので、くびれたところが0になるのが最大です。このときは

Lm/2 = Lc/2 のときに 100% となります。

よって変調度Mは

M(%) =( Lm/Lc  )x 100

となります。 

しかしながら、変調の制御が上手くいかなかったりすると、変調波の一番高いレベルは本来

PLm = Lm/2 + Lc/2 のはずですが

Lm/2 の部分が伸びきれなかったり、あるいは Lc が全体としてレベルが落ちたりして理想的な値にならない場合が多いです。Lcの値は無変調の時を使いますから、PLmが伸びなければ当然変調度は落ちます。そのあたりの特性をチェックする上でアンプを通した後の変調度の変化を性能評価するのです。

 さて、最近は高速なオシロスコープも安く出ていますが、100MHz越の変調波をみたりするには適していません。昔はミキサーでダウンコンバートしてオシロで見たりしましたが、スペアナを使うことで変調度を測定することが出来ます。

3番目の図は最もポピュラーな AM変調波を観測したときのスペアナの表示例です。この表示からでも中央のキャリア(Fc)のレベルと、両サイドに現れる変調波(Fm)のレベルで変調度を計算することは出来ます。

しかしながら、波形が歪んでいるのかどのように歪んでいるかを見たい場合はこの表示では良く判りません。それで、スペアナにはゼロスパンという機能があります。
 スパンは普通は1目盛り当たりの周波数を決めて横軸が周波数読みになるのですが、ゼロスパン:つまりスパンを0にすると、横軸が掃引時間(mS とか uS )に設定できるようになります。その表示が4番目の図です。

オシロスコープと似たような表示になりますが、違うところは「変調波形の上側包絡線」を表示する点です。これはスペアナが信号を検波して「その周波数のレベルを表示する」機能であるので、信号が大きくなったり小さくなったりするそのレベルを表示するからです。
(キャリアの波形は表示出来ない)

ここで、注意する点があります。スペアナは通常縦軸が対数目盛り(dB表示)なので、そのままだと一番下の図の様に綺麗な正弦波を変調してもおかしな波形になってしまいます。
 変調度や波形を観測したい場合は縦軸を4番目の図の様に LINEAR 表示に変える必要があります。変調波形を見る際には通常のdBmなどの電力表示で無く、オシロと同じように電圧表示にする必要があります。図中の PH ,PL を電圧レベルで測定した場合の変調度は

 M(%) = 100 x ( PH - PL )/( PH +PL)

で計算できます。

この表示をすると、ピークの頭が伸びないとか、変調波が傾いてるとか良く判るようになります。

 

 

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2020年2月15日 (土)

YAMAHA 4CH アンプの解析

今回はオークションで落札した YAMAHAの 4CH AMPですが、ジャンクとのことで開けたら片方のCHのPOWER ICが外れて無かったので、今はやりの D級アンプでも入れようかと中身を解析しました。
 基板を解析しましたが、どうもプロテクションあたりの回路が謎で、4CHアンプと2CHモードでは電源電圧が切り替わるので、「おかしいなー2CH モードで BTL だと電源消費がきびしいから電圧落としているのかな」と思ったのですが、逆で 2CHモードでは電圧が 32V から46Vへと上がるのです。
 訳が判らずしかたが無いのでネットを検索....あるじゃ無いですか「サービスマニュアル P2040 」ってのが、そこで見つけたのが以下の回路。Yamaha_amp_prot

一番謎だったのが、Q107とQ108で特に Q108のベースがGNDについているので間違いかと思いましたが、この回路は Q108のエミッタとQ110のベースが接続した先が、アンプの出力(DC)に繋がっていることで、理解出来ました。
このラインはスピーカーに繋がる出力と抵抗で繋がっているので、平均的には交流的には変化してもDC的にはほぼ中点GNDのはずです。それが壊れてDCが出るようになると、スピーカーが焼けてしまうので、保護しなければなりません。
マイナス側に振れたときには Q108がプラス側ではQ110がそれぞれONして結果 Q107のベース電圧を 0Vにします。そのことでQ106がON出来なくなりリレーがOFFになって出力を切ります。
 また、電源OFF時のポップノイズ対策はD106...R188...C127で作っている短い時定数のマイナス電圧です。これが無くなる(電源OFF)とQ109がONして同様にQ107のベースラインの電圧を落とします。ここはコンデンサーを直にショートするので、素早くOFFにするのです。

 さて、もうひとつ訳の分からない抵抗があります。R194 270Ω です。片側にしか入ってないし、Q113の意味が無いんじゃ無いかと思いますよね。これは 2CHモードには Q105,Q113は OFFになり、実質2CHだけ ONになる回路なのです。
実はこのアンプ 2CH時は BTL 接続で無く、ホントに2CHだけにして電源電圧を上げてパワーを上げていたのです。4CH時は 20W 2CH時は40W と、2つのICの片方だけ動かして、熱的に余裕を作って電源電圧を上げてパワーを出すという、ほんとにシンプルな構成だったのです。

 

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2020年1月14日 (火)

SiC MOS FETのドライブ

今回は以前開発した SiC MOSFETのドライバユニットの説明をします。
SiC POWER MOS Module は Rohm の BSM180という 1200V 200A のモジュールですが、NチャンネルのFETが2つシリーズに繋がって、出力を Vdd / GND 両方振れるタイプです。

 20200114-114942

このタイプは保護用のショットキーが付いています。こんなに大電流を流せるのにゲートドライブ電圧は +22V/-6Vと結構最大値がシビアで、Rohmから推奨ドライブ回路が提供されています。

Sicdrive10

これはその前にどれぐらいのゲート抵抗でドライブすべきか検討したシミュレーションデーター。
ゲート容量はそれなりに 22nF とあるので、以前使っていた 100Ωぐらいでは足りず、10Ωが必要となり、以下の回路

20200114-114433

パワートランジスタの 2SCR542 と 2SAR542のプシュプルでドライブします。その入力制御はGND分離も兼ねてTLP250で行っています。
さらにこのドライバのキモは DC1 の 絶縁型DC/DC コンバーターです。+24Vを±12Vにするモノですが、出力をプラスとマイナス端子を使って普通の 24Vとしますが、D2のツエナーダイオードで 3.3Vを作ってこれをソース電位とします。そうするとトランジスタは +24Vと0Vを出力しますので、ゲートには -3.3Vした電圧 +20.7V /-3.3Vがかかって、マイナス側にも引っ張るので OFF時の動作速度にも良い影響を与えます。

 さらにここに DC/DCコンバーターを使うことで、実はプラス側のFETのドライブにも使えるのです。普通N-CH FET をプラス側ドライブに使うには、電源電圧より高いドライブ用電圧が必要ですが、この回路では絶縁してあるので、ドライブすることが出来ます。
ただ、DC/DCコンバーターの絶縁特性や出力時のソース電圧変動での特性変化は今回ホット側高速スイッチング用ドライブとして使わなかったので、検証はまだなので注意して下さい。( 電源ON/OFF程度のスイッチングには使っています)

以上

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2019年3月 1日 (金)

キルヒホッフの法則のはなし2

キルヒホッフの法則のはなしとは

キルヒホッフの法則とは,簡単に言うと「ある1点に流れ込む電流の総和と流れ出す電流の総和は等しい」というごく当たり前の話なのですが、計算で電圧や電流を求めるときの基本です。
 前回は抵抗を使ったアッテネーターの回路を例にあげましたが、今回はトランジスタが入った例を考えて見ます。
Kirchhoff2
 右図は12Vの電源から分圧してボリュームで調整電圧を取ったり、トランジスタをONさせるために繋げた回路です。今回 Vx の電圧を考えて見ます。
1)ボリュームやトランジスタ接続を全く無視して起算してみる。抵抗分割で計算すると
   Vx = 12v x ( 5.6k/( 5.6k + 10k))
   Vx = 4.3V となります。
だいたいの目安を付けるには、
これでいいと思います。
2) ボリュームやトランジスタを考えて
 10k は 5.6k と並列に入れる
 トランジスタのベースを GNDと考えて、1Kも5.6k と並列にする。これで計算すると
  Vx -GND間の抵抗をまず求めると
Vr-gnd = (1 / (( 1/5.6k )+(1/10k)+( 1/1k)))
            =0.78 k
  Vx =12v x ( 0.78 /( 0.78k +10k))
       =0.87 v
となります。しかしこの値は実測と比べてしばしば低すぎる場合があるのです。それはどうしてでしょうか?
3) 図の下側のようにトランジスタの B-E をショートでなく、0.7V(Vbe)の電圧源として計算してみる。ここでキルヒホッフの法則を使って,Vxの点で各電流を求めてみます。
 I1 = Vx / 5.6k
   I2 = ( Vx - 0.7v)/1k
   I3 = Vx /10k
   I4 = (12v - Vx )/10k
なので
  I4 = I1 + I2 + I3
  (12v - Vx )/10k = (Vx / 5.6k) +(( Vx -0.7v)/1k) +(Vx /10k)
  両辺に 56 をかけて(56 = 5.6k 10k 1k の掛けた物)簡単にすると
   (12v - Vx )x5.6 = (Vx x10) +(( Vx -0.7v)x56) +(Vx x5.6)
   67.2 -5.6Vx   = 10Vx +56Vx -39.2 + 5.6Vx
   67.2 +39.2 = 5.6Vx +10Vx +56Vx +5.6Vx
   106.4 =  77.2Vx
   Vx = 1.38 v
 
 I1 = 1.38v / 5.6k = 0.246mA
   I2 = ( 1.38v -0.7v)/1k = 0.68mA
   I3 = 1.38v /10k  = 0.138 mA
   I1 + I2 + I3 = 1.06mA
   I4 = (12v - 1.38v )/10k = 1.06mA
 と Vx は約 1.38V となり、 2) での計算よりかなり高くなっています。

ベース抵抗はコレクタ電流を考えて設定しよう
ここは Vbe = 0.7V の設定が効いているのと、ベースに入ってる 1kΩ がちょっと抵抗値が小さいためだと思います。ベース電流をそんなに必要ないなら...
たとえば 入力電圧 5V でベース抵抗 10kΩ ではベース電流は
(5v -0.7v )/10k = 4.3v/10k = 0.43mA
トランジスタの電流増幅率を 100 とすれば
コレクタには 43mA 流せるはずです。
大電流のトランジスタではコレクタに 1A流すとしたら足りないですから、その場合は 330Ω なら 30倍で1.29A 流せます。コレクタの電流を考えてベース抵抗を考える必要がありますが、小電力スイッチングでは 10k とか 4.7kで十分なはずです。

 この回路でベース抵抗を 10K  にすれば、
2) の場合で簡単に計算しても
Vr-gnd = (1 / (( 1/5.6k )+(1/10k)+( 1/10k)))
            =2.64 k
  Vx =12v x ( 2.64K /( 2.64k +10k))
       =2.5 v
3) で計算すると
(12v - Vx )/10k = (Vx / 5.6k) +(( Vx -0.7v)/10k) +(Vx /10k)
  (12v - Vx )x5.6 = (Vx x10) +(( Vx -0.7v)x5.6) +(Vx x5.6)
   67.2 -5.6Vx   = 10Vx +5.6Vx -3.9 + 5.6Vx
   67.2 +3.9 = 5.6Vx +10Vx +5.6Vx +5.6Vx
   71.1 =  26.8Vx
   Vx = 2.65 v
と簡単計算との誤差が少なくなります。

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