MIDAS Venice Mixerの修理
MIDASの Mixer が調子悪いとのことで、修理を依頼された。
LEDのメーターがおかしいのと雑音が出るとのことで、繋いでヘッドフォンで聴いてみると普通に各CH音が出るし動作上問題ないようだ。
ただ、メーターがピーク付近までレベルを上げると一番上の赤色が点灯せずに全体が暗くなってしまう。
なんとなくプロの機械にしては抜けが悪いか、ダイナミックレンジが低いように感じる。1日目は動作試験を行い、他に悪いところがないか連続して動作してみたが特に見つからなかった。
仕方がないので内部を調査(2日目)
メーター動作がおかしいので、一番ピークのラインがショートしてるかで、電圧がドロップするのでは?と思って基板が見えるように分解。
ビスがプラスネジや6角ネジで無く、トルクスネジだったので、対応する3種類の大きさをなんとか探して開ける。基本的には下側の電源部と後側のコネクタ接続部、表面のスイッチ操作部分に分かれる。
結構大きな基板になっているので、表側を見るには大変そう。ミキシングのメインやバス付近の部分はシールド版で裏面も基板を覆っているので外さないと LED 付近は見えない。外してみるとLED4列と14ピンのICが14個近くにある。
とりあえず、LEDのショートチェック(デスタのダイオードレンジで順方向電圧を見る)。緑や黄色・赤LEDなのでなのでだいたい 1.5〜1.7Vぐらいでどれも正常。測っているうちにどうもLEDが直列になっているようだ。それで 14P の LEDレベル表示の ICを探すが、シリーズに繋がってドライブするのは無く、4個ぐらいづつシリーズになっているのがあるが IC自体は 20Pin 以上の大きなものしかない。
サービスマニュアルを探す
ちょっとラチがあかないので、 "MIDAS VENICE Mixer "でサービスマニュアルを探して、なんとか見つけたのが以下の回路図。
ドライブするICは LM2901という4個入りオープンコレクタのコンパレーターで、各レベルに対して OFFにするとLEDに電流が順次流れ、トランジスタで定電流をつくっているようだ。基板上で配置を確認。テスターで出力端子付近をチェックしても特に IC が壊れたり、シュートしているようではなかった。
2日目はこの周辺の部品位置や電源の供給ポイントなど接続をテスターで確認して終了。次は電源を入れて電圧をチェックしてみる。
< 次回 電源チェック編に続く >
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