« PIC18FQ MCC で I2C | トップページ | BLACK FRIDAY セールの話 »

2023年11月16日 (木)

パワーアンプ PROTECT故障のはなし

パワーアンプ PROTECT故障のはなしとは

 修理依頼の RAMSA WP-MP5 という、マイク入力・グライコ・コンプレッサー付きの多機能のモノアンプなのですが、PROTECTランプが付いて動作しなくなったというもの。試しに繋いでみると、なんと普通に動作している。「なんだー大丈夫じゃん」と思って信号を加えてスピーカーで聞いていると突然 PROTECT ランプがついて無音状態に。しかたがないので上蓋を開けてチェックするが、よくあるスピーカー出力のDCもれプロテクトじゃないかなと思って測って見ても 0V で問題ない。プロテクトランプの配線をたどっていくと、1つの経路はスピーカー ON/OFFのリレーをドライブするトランジスタに。もう一方は TA7317P というプロテクト用のICにたどり着いた。さっそく WEBでデーターシートを見ると、

Scrshot-20231116-213437

この使用例が参考になった。どうも 1Pin 2Pin 3Pinが制御入力で、6Pinがリレーを駆動しているようです。 7Pinは電源 ON時のミュート用の時定数を作っているようで、電圧を測ると 1Pin 0.12V  2Pin 0.1V 3Pin 0.05V とほとんど問題無いはず。各々の入力はトランジスタなので最低 ±0.6V程度になると ONするはずです。試しに 1Pin と GNDをショートさせると、普通にリレーが動作して立ち上がります。

 「電圧 0.12Vじゃ問題無いはず...」と思い、オシロでチェックすると、何と 1Pinに電源からマイナス電圧を加えている 100kΩの先がマイナス側だが、ほとんど矩形波になっていた。ここには 1uF が入っているはずだが、どうも容量抜けのようだ。とりあえず 0.47uF/100V のフィルムコンをいれると、波形がリップルを含んだぐらいのマイナス電圧になり、正常に動作するようになった。

 結局 テスターで電圧を測ると矩形波の中間電圧になるので 0.12V なのだが、瞬間的にはプラスになるのでここのトランジスターが ON してしまっていたようだ。やはりオシロで見るという事は結構大事では無いかと、再度確認した。

 フィルムコンを正式に半田付けして完了。電源 OFF 時のミュートも正常にかかるのを確認、エージング試験して修理完了。

 参考までに TA7317P の内部回路を以下に記録しておく。

Scrshot-20231116-213448

|

« PIC18FQ MCC で I2C | トップページ | BLACK FRIDAY セールの話 »

トラブル対策」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« PIC18FQ MCC で I2C | トップページ | BLACK FRIDAY セールの話 »