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2023年8月

2023年8月 6日 (日)

パワーアンプ RAMSA WP-1200A の修理

パワーアンプ RAMSA WP-1200A の修理を依頼された。
 現物は、片チャンネルが歪むということで、鳴らしてみると確かにRCHが歪む。LCHが問題無さそうなので波形を比較してみているとRCHのプラス側スイングが全くしていない。基板の上側からオシロのプローブでトランジスタのベースなどをチェックしていると、何かのタイミングでLCHも無音になった。RCHは相変わらず歪んでいる。

 仕方が無いので、基板をシャーシから外して全てのトランジスタの B-E 間、B-C間のダイオード特性の確認。 CーE 間ショートのないことを確認したが、相変わらず無音と歪み状態。

 以前も修理した機種で、回路図があることが判っていたので、それを見ながら初段から信号を追っていこうと思ったが、始めからつまずいた。初段のベースには信号が来ているのにコレクタが無信号というか全然増幅してない。RCHはドライバ段のベース波形がかろうじて歪んだ波形で見える程度。回路図とにらめっこすると、抵抗値のない不思議な抵抗 R497 , R499 がありました。この Q401〜Q403は初段でトランジスタのエミッタ電流をカットして、ミュートするようですが、実物を見ると 10KΩ で 1/4 W品かと思われます。ここを通った後の電圧が 0V なのでどうやら切れてしまったようです。外してみると抵抗値は無限大。それで RCHの片側がかろうじて高抵抗のまま保持していたようです。LCH はチェックでいじっている内に力尽きたか?

Scrshot-20230806-150715

 サービスマニュアルではどうやらこの抵抗で 70Vを 14V程度に落としているようですが、70 -14 = 56V 10KΩなので電流は 56V ÷ 10KΩ = 5.6mA    56V x 5.6mA =313.6mW なので、 1/4W ではきついでしょう。そのあたりの問題で抵抗値が書いてないのか?結局 10kΩ1Wの酸金抵抗に変えて、めでたく +14V ,-14Vが確保できました。

 バラックテストではスピーカー端子から正常な波形がオシロで確認出来たので、組み立てて再度ダミー抵抗でエージングテストです。この交換した抵抗ですが、基板に垂直にして放熱をよくするように実装しました。

ちょっと思い出したぞ、確か前の修理もここ交換したっけ...
年ですね。

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