AMAZON の1300円のアンプボードを買ってみたはなし
AMAZON の1300円のアンプボードとは
SODIAL 40W + 40W TDA8944ステレオオーディオアンプボード
で、本当に 40W出るのか心配だったが(結局誇大広告だった)安かったので買ってみました。
表題はICの機種が TDA8944 と書いてあるのだが、基板上は TDA8946A となっている。
放熱板を外しても、ICが裏面付けなので型番が確認出来なかった。
仮に TDA8944 だと 7W x 2 なので、こっちならばスペック偽証の返品ものですね。
(ページには TDA8944/8946 と2とおり書いてあるが ...パワーは?)
●12Vの安定化電源を使って、信号発生器で 1KHzをLINE 入力に入れてスピーカーの代わりに 8Ω 50Wのダミーで動かしてオシロスコープで波形を見ました。おそるおそるボリュームを上げていくと、正弦波の頭付近に高域発振の波形がリンギングみたいに出てきました。
たぶん、スピーカーでは聞こえない 100KHz以上の波形なので、良しとしたのか気がつかなかったのか?
でもちょっと見苦しいですね、不要なノイズを出しまくっているようで、おもわず「このアンプはデジタルアンプだったっけ?」とTA8946Aを調べてみても、普通の BTL の2CHアンプです。データーシートには出力の高域発振止め対策など書いてないので、高域の回り込み発振のようです。データーシートを見ると、このICは 2x 15W とあるので、40Wは無理ですね。ピークでは出るカモです。
結構これは手強くて、パターン強化や電源端子にフィルムコンデンサを追加したぐらいではびくともせず、GND間に 220PFと0.5uH ぐらいのコイルで弱くなるけど、空芯コイルでは大きいし、とりあえず220PFフィルムコンデンサーと10mmφぐらいのトロイダルコイルに2ターン巻いて BTL 出力間に付けて止めました。これで発振は止まったみたい。
●ライン入力に iPod から音楽入れてそこそこ大きめに鳴らして、マイク入力のゲインを上げると今度は低域でボコボコという発振音。
マイク入力をショートしても出るので、電源が怪しいと思ってマイクアンプの OP-AMPの電源に 470uF 付けても全く変化無し。
そもそも、アンプIC付近で電源がふらついているので、基板上の 820uF x 2 を外して、 3300uF/50V に変更。だいぶ良くなったがマイク端子をオープンにしたときに、やはり振られて発振気味。音も何かクリアーでない感じ。
そこで、ICの Vcc と GND 間にもう1個 3300uF を直接追加。これで、ピタッと安定しました。
●BTL のアンプなので、オシロで負荷波形を測定しようとすると GNDがSP- に繋げなければならなくなってしまうので、信号発振器と GND 分離する必要があるので、 BLT モード全体での出力はオシロではまだ測定してません。 片方出力と GND 間で見るとそこそこ Vcc まで出ているので BTL動作は大丈夫な様です。使っているコンデンサーがほとんど積層セラミックだし、フィルムコンデンサーを使っているのは IC入力 +/- 間の 1800PF とトーンコントロールの一部なので、これらセラミックコンデンサーを変えたら良くなるかな?と思いました。
データーシートには 8Ω負荷でしか特性が書いてなかったので、やはり 15W それも 18V で MAXの様ですね。
PS: 後で、データーシートを見たら、 220nF と 4Ω で発振止めみたいな回路を見つけました。これもやってみようかな..
色々改造したら以下写真のようになってしまいました。50Vの電解コンデンサー2個の方が基板価格より高くなってるかも...
*ここからは 後日測定結果
実際に使用した負荷は 5Ω でした。
1)BTLの片出力( SP - )と GND間では クリップ直前では 8V p-p でした。
2)BTL のパワー計算では これをBTL 接続すると、正負になって波高は2倍になりますので 16V p-p
3)実効値を求めるには負のサイクルを正側に折り返すので(ダイオードで両波整流するみたいに)1/2になります。
4)これから実効電圧Vrms は 16V÷2÷√2 = 5.65V
5)パワーは P = E^2 ÷ RL =5.65x5.65÷ 5 =6.4W となります。
ちなみに電源電圧を18Vに上げたら、10V p-p 出たのでパワーは 9.9Wとなりました。
P-P パワーとして見れば、 10x 10 ÷ 5 = 20W ,4Ω負荷なら 25W となりますね。
TA8946Aのデーターシートでは THD 0.5%で 11.5W ( @18V) THD 10%で 15Wとなっていました。
やっぱり 40Wは誇大広告でしたね。