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2021年11月

2021年11月 8日 (月)

Nakamichi 700 の修理2

今回は以前入手した Nakamichi 700 カセットデッキの、懸案部分を修理した。

1)出力ボリュームのガリ対策。
  木製ケースをビス4本で外して、ボリュームつまみを全て外しアルミの下側枠を外すと、黒いフロントパネルが外れるのでその部分からボリュームにアクセスできる。結構長い軸のボリュームなので、代替品を探したが、ちょうど古いカーステレオのボリュームが長さ的には合いそうだ。オリジナルは 10KΩの2連(外軸・中軸でL/R)だが交換したのは普通の2連で 50KΩ A でしたが、回路を見ると結構ハイインピーダンスの部分だったので、よしとする。
 ビス4本でボリューム取り付けパネルが外れる。ボリューム基板はマザー基板にコネクタで刺さっている+直付け配線数カ所なので、手前に外してボリュームを取り出す。片面基板なので、半田を吸い取ってボリュームは簡単に外れた。交換用のボリュームはリードからげ端子なので、銀メッキ線でからげて半田して、基板半田付け端子として出す。
 構成している基板はカードエッジコネクタ形式が多くて動かすとノイズが出るので、簡単に洗浄して基板抑えを再度行って止めた。
 この点は問題無く完了。ガリがなくなったのを確認。

Img_0491_20211108110101

2) 次はテープ走行の不安定さ。電源ON後は調子良いが、時間がたつとすぐに止まってしまったりする。テープカウンタも動かないので、テープ走行検出あたりが、ベルトが切れたかと思って裏面を確認する。Img_0490_20211108110101
モータから2本のベルトが出ているが、フライホイールを回す幅広ベルトでない奥のベルトが緩いようなので、手持ちのベルトと替えたがあまり効果がない。表側の扉・カセットケースを外して、銀色のフロントパネルを外してテープカウンタあたりを確認。ベルトは回っているがカウンターが動かないので、外して手で回してみると固着していた。CRCで注意深く(プラスチック部分に付けないように)洗浄して回るようになった。ついでにベルトも交換したかったが、結構長いので手持ちに合うものがなかったので、洗浄してそのまま使った。これでカウンターは回るようになった、カウンターメモリーストップも動作した。

 そんな事をしていると、いよいよ不調になってきて、プレイボタンを押し続けないとすぐに止まってしまうようになった。Img_0489

 仕方が無く、コントロール基板を外してテープ走行センサーパルスをオシロで見たが、正常に出ている。これがコントロール回路の何処に行ってるか、NETで見つけたサービスマニュアルの基板図で確認するが、パターンが潰れて部品番号と重なったりして見にくくて大変。ようやく見つけたパルス波形のコンデンサ充電波形を見ると、マニュアルの図とちょっとおかしいが動いている。
 そして、シャットダウンに繋がるトランジスタのコレクタを見ると、どうもノイズが乗っている。これではすぐにシャットダウンするはずだ。このトランジスタでなくこのベースにバイアス電流を加える Q609 2SA733 が怪しい。外して B-C  /B-E ダイオード特性などチェックするが問題無い。このトランジスタをつけなければ、ノイズが出ないのを確認して再度取り付けた。取り付けする際基板上の穴がちょっと汚いので、トランジスタをよく見るとベースに半田がくずのようにリード線にまとわりついていた。ここがイモ半田になってベースが浮いていた可能性があった。オープンになっていると周囲の影響で電流がノイズとして流れていたようだ。きちんと半田付けして動作確認。
 このコントロール基板は右側の取り付け金具をワニ口クリップで本体に落としてやらないと動作しない。マニュアルにもあとで見ると書いてあったが、始めは壊したかと思ってちょっとあせった。

 どうにか安定して動作するとテープを走行して動かしていると、また何度も止まるようになった。
「ありゃーまだダメか?」と思ったら、テープエンドでした。

今回はこれで何とか、聞けるようになった。いままで、Nakamichi 600 (2ヘッド機)だと High ポジションモード聞くと高音が物足りなかったテープでも、 700 で聞くとバランスが良いのかちゃんと High ポジションモードで十分な音が出てます。時間が出来たらマニュアルに沿って録音再生を再調整してみようかな。

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