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2020年8月

2020年8月21日 (金)

AM変調度のはなし

AM変調度のはなしとは

AMは( amplitude modulation :振幅変調)といって、高周波信号に音声などを付加する方式の1つで、いわゆるAMラジオ放送といえばポピュラーだと思います。対して FM( Frequency modulation:周波数変調)はFMラジオ放送ですね。
AMは図の様にAmod_20200916161301
、キャリア(いちばん上の図)と呼ばれる高周波信号に振幅を変えて変調波を加える方式(右図2番目)です。 

 これら上から2つの図はオシロスコープで見た場合の図ですが、キャリアのレベルをLc として、変調波のレベルを Lm としたときに、変調度はどのように計算するかというと、この2番目の図からも明らかの様に、変調波は上下対称波形なので、くびれたところが0になるのが最大です。このときは

Lm/2 = Lc/2 のときに 100% となります。

よって変調度Mは

M(%) =( Lm/Lc  )x 100

となります。 

しかしながら、変調の制御が上手くいかなかったりすると、変調波の一番高いレベルは本来

PLm = Lm/2 + Lc/2 のはずですが

Lm/2 の部分が伸びきれなかったり、あるいは Lc が全体としてレベルが落ちたりして理想的な値にならない場合が多いです。Lcの値は無変調の時を使いますから、PLmが伸びなければ当然変調度は落ちます。そのあたりの特性をチェックする上でアンプを通した後の変調度の変化を性能評価するのです。

 さて、最近は高速なオシロスコープも安く出ていますが、100MHz越の変調波をみたりするには適していません。昔はミキサーでダウンコンバートしてオシロで見たりしましたが、スペアナを使うことで変調度を測定することが出来ます。

3番目の図は最もポピュラーな AM変調波を観測したときのスペアナの表示例です。この表示からでも中央のキャリア(Fc)のレベルと、両サイドに現れる変調波(Fm)のレベルで変調度を計算することは出来ます。

しかしながら、波形が歪んでいるのかどのように歪んでいるかを見たい場合はこの表示では良く判りません。それで、スペアナにはゼロスパンという機能があります。
 スパンは普通は1目盛り当たりの周波数を決めて横軸が周波数読みになるのですが、ゼロスパン:つまりスパンを0にすると、横軸が掃引時間(mS とか uS )に設定できるようになります。その表示が4番目の図です。

オシロスコープと似たような表示になりますが、違うところは「変調波形の上側包絡線」を表示する点です。これはスペアナが信号を検波して「その周波数のレベルを表示する」機能であるので、信号が大きくなったり小さくなったりするそのレベルを表示するからです。
(キャリアの波形は表示出来ない)

ここで、注意する点があります。スペアナは通常縦軸が対数目盛り(dB表示)なので、そのままだと一番下の図の様に綺麗な正弦波を変調してもおかしな波形になってしまいます。
 変調度や波形を観測したい場合は縦軸を4番目の図の様に LINEAR 表示に変える必要があります。変調波形を見る際には通常のdBmなどの電力表示で無く、オシロと同じように電圧表示にする必要があります。図中の PH ,PL を電圧レベルで測定した場合の変調度は

 M(%) = 100 x ( PH - PL )/( PH +PL)

で計算できます。

この表示をすると、ピークの頭が伸びないとか、変調波が傾いてるとか良く判るようになります。

 

 

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2020年8月11日 (火)

HDDは保証期間が過ぎるとなぜか壊れる

今回は、NAS で使っていた HDDのはなし
SynologyのNASなのですが、2017年2月から運用開始して、ほぼ連日稼働していました。

 きっかけは、片方のドライブがエラーが出たので交換してくださいとのこと。
RAID1なのでデーターはちゃんと読み書きできているので、新しい HDDを注文して「来てから交換すればいいや」と思って何もしてませんでした。(RAID1だからデーターは安全)と思っていたのです。
 交換 HDDが来て交換してみると、なんと今度はもう一方の HDDもおかしくなって、 RAID1 再構築どころでは無くなったのです。
データーをバックアップから戻すNAS内蔵アプリも「システムエリアが壊れています」とのことで動かない。
しかたが無いので、もう1つ HDDを発注して両方交換する羽目に。でも NASの設定をバックアップするには少しでも現状動作していた方がいいかと思い、また古いHDD2台を戻して「設定情報のバックアップ」を行いました。これは PCに情報残すので安全なようですね。

 Dsc00062

 少しでも動いているうちにと、バックアップ用の USB接続(NASに付けている)HDDに全データーをコピーしました。
このHDDは NASアプリで主要データーをバックアップしていたのですが、今度はディレクトリごとコピーしました。この外付けHDDはNASが動いている限り大丈夫みたいなので、LAN接続されているPC,MACからちゃんと見えていました。この機能だけでも安心ですね。

 そして、めでたく2台のHDDを交換。両方変えたのでNASのサーバーアプリは新規に入れなければならないですが、PCに保存してあった設定データーを読み込めば、各ディレクトリやユーザー情報などきちんと復元できたので、さすがNASと感心したモノです。

 結局 HDDは3年保証でしたので、前回 Buffalo NAS のHDDの時は保証期間内でしたのでWDが無償交換してくれたのですが、今回は無理ですね。

今回の経験から教訓は

1) HDDは保証期間で壊れると思え。
2) 片方壊れたら、両方交換はあたりまえ。
3) RAID1はありがたい。

結局ロストしたデーターは無かったので、また3年かんばってもらいたいですね〜

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