YAMAHA 4CH アンプの解析
今回はオークションで落札した YAMAHAの 4CH AMPですが、ジャンクとのことで開けたら片方のCHのPOWER ICが外れて無かったので、今はやりの D級アンプでも入れようかと中身を解析しました。
基板を解析しましたが、どうもプロテクションあたりの回路が謎で、4CHアンプと2CHモードでは電源電圧が切り替わるので、「おかしいなー2CH モードで BTL だと電源消費がきびしいから電圧落としているのかな」と思ったのですが、逆で 2CHモードでは電圧が 32V から46Vへと上がるのです。
訳が判らずしかたが無いのでネットを検索....あるじゃ無いですか「サービスマニュアル P2040 」ってのが、そこで見つけたのが以下の回路。
一番謎だったのが、Q107とQ108で特に Q108のベースがGNDについているので間違いかと思いましたが、この回路は Q108のエミッタとQ110のベースが接続した先が、アンプの出力(DC)に繋がっていることで、理解出来ました。
このラインはスピーカーに繋がる出力と抵抗で繋がっているので、平均的には交流的には変化してもDC的にはほぼ中点GNDのはずです。それが壊れてDCが出るようになると、スピーカーが焼けてしまうので、保護しなければなりません。
マイナス側に振れたときには Q108がプラス側ではQ110がそれぞれONして結果 Q107のベース電圧を 0Vにします。そのことでQ106がON出来なくなりリレーがOFFになって出力を切ります。
また、電源OFF時のポップノイズ対策はD106...R188...C127で作っている短い時定数のマイナス電圧です。これが無くなる(電源OFF)とQ109がONして同様にQ107のベースラインの電圧を落とします。ここはコンデンサーを直にショートするので、素早くOFFにするのです。
さて、もうひとつ訳の分からない抵抗があります。R194 270Ω です。片側にしか入ってないし、Q113の意味が無いんじゃ無いかと思いますよね。これは 2CHモードには Q105,Q113は OFFになり、実質2CHだけ ONになる回路なのです。
実はこのアンプ 2CH時は BTL 接続で無く、ホントに2CHだけにして電源電圧を上げてパワーを上げていたのです。4CH時は 20W 2CH時は40W と、2つのICの片方だけ動かして、熱的に余裕を作って電源電圧を上げてパワーを出すという、ほんとにシンプルな構成だったのです。
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