SiC MOS FETのドライブ
今回は以前開発した SiC MOSFETのドライバユニットの説明をします。
SiC POWER MOS Module は Rohm の BSM180という 1200V 200A のモジュールですが、NチャンネルのFETが2つシリーズに繋がって、出力を Vdd / GND 両方振れるタイプです。
このタイプは保護用のショットキーが付いています。こんなに大電流を流せるのにゲートドライブ電圧は +22V/-6Vと結構最大値がシビアで、Rohmから推奨ドライブ回路が提供されています。
これはその前にどれぐらいのゲート抵抗でドライブすべきか検討したシミュレーションデーター。
ゲート容量はそれなりに 22nF とあるので、以前使っていた 100Ωぐらいでは足りず、10Ωが必要となり、以下の回路
パワートランジスタの 2SCR542 と 2SAR542のプシュプルでドライブします。その入力制御はGND分離も兼ねてTLP250で行っています。
さらにこのドライバのキモは DC1 の 絶縁型DC/DC コンバーターです。+24Vを±12Vにするモノですが、出力をプラスとマイナス端子を使って普通の 24Vとしますが、D2のツエナーダイオードで 3.3Vを作ってこれをソース電位とします。そうするとトランジスタは +24Vと0Vを出力しますので、ゲートには -3.3Vした電圧 +20.7V /-3.3Vがかかって、マイナス側にも引っ張るので OFF時の動作速度にも良い影響を与えます。
さらにここに DC/DCコンバーターを使うことで、実はプラス側のFETのドライブにも使えるのです。普通N-CH FET をプラス側ドライブに使うには、電源電圧より高いドライブ用電圧が必要ですが、この回路では絶縁してあるので、ドライブすることが出来ます。
ただ、DC/DCコンバーターの絶縁特性や出力時のソース電圧変動での特性変化は今回ホット側高速スイッチング用ドライブとして使わなかったので、検証はまだなので注意して下さい。( 電源ON/OFF程度のスイッチングには使っています)
以上
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