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2018年6月17日 (日)

中華アナログ電源の故障のはなし

ちょっと前から、中国製の安いアナログ電源(シリーズレギュレター使用のドロップタイプの電源)がノイズが多くなっていた。

 どうせ一度スイッチングレギュレタータイプでドロップさせて、その後シリーズレギュレターで落としているかして、そのシリーズレギュレター部のコンデンサでも壊れたのか?と思い、ノイズとしては 24V時に 100mV ぐらいなので、いつか修理しようと思っていたのだが、今回思い切って開けてみた。
結構な大きさのトロイダルトランス
が使ってあって、ちょっとびっくり。放熱板には2SDタイプのパワートランジスタが2個配置され、結構大きなファンが付いている。普段はファンの音が聞こえなかったので、これは熱くなったときに回るように近くにサーモスイッチが付いていた。
トランジスタのエミッターは出力のよう
でノイズがちょっと乗っている。コレクターはとオシロで見てみると、激しい交流波形?
「これはすごい発振か!」と思って、エミッター<->ベース間に1uF のセラミックコンデンサーを付けてみたが、収まらない。まるで変化無し。
しかたが無いので、基板の裏側を見ようとケースを分解して回路をチェック。すると,,,,どうやら整流回路のダイオード出口がそのまま先ほどのコレクターに繋がっている。????
なんとAC(正確には両波整流の脈流)をそのままシリーズレギュレターで安定化しようと頑張っていたのでした。以下が原因。
Img_2159
このコンデンサー外して見たら、プラス側のリードが中から外れていました。全くコンデンサーの役割をしていなかったのです。
4700uF /63V なので、ちょっと手持ちがなかったので、とりあえず 470uF/200Vと680uF/200Vを基盤上側と裏に分けて入れたのですが、ちゃんと例の脈流(ノコギリ型のリップルがのるやつ)は出ていますが、出力は 10mV以下で正常動作しています。
まだ買って2年ぐらいしか経ってないのに、コンデンサーは鬼門です。


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コメント

これはひどいですね。
もしかして中身が別の小型ケミコンだったりして。。。

投稿: tom | 2018年6月17日 (日) 20時20分

最高電圧の32Vを出したとき、この整流電圧は約52Vぐらいありましたので、リップルを考えると 63Vの定格では無理があったと思います。このあたりが中国製品の「規格ぎりぎりで安価に」の思想が時に品質低下を招いています。
 日本だったら品質保証の責任があるので、このあたりは慎重に設計されていたと思います。
 けっこう立派なトロイダルトランスを使って、実直にシリーズレギュレターを作っていたのは感心したのですが、品質保証の経験がまだ浅いのでしょうね。

投稿: sudoteck | 2018年6月17日 (日) 20時28分

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