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2016年9月 3日 (土)

単電源から両電源を作るはなし2

単電源から両電源を作るはなし2とは

以前オペアンプで単電源を±の電源を作るはなしを書いたのですが、市販された普通の器械が、こんな中間電圧をオペアンプで発生させて、両電源を作るをテクニック使ってたのを最近見つけて、少し感動しました。
 それはヤマハのマルチトラックカセットレコーダの MT-400 という機種ですが、電源は外部の電源アダプタ DC12V から取るので、ちょっと考えて見て、単純に単電源で半分の電圧をバイアスとして使ってるだけかなと、考えていました。
 そして、電源入力基板を見ると 10V の3端子レギュレター ICがあったので、やはり...と思って調べていくと、基板のシルクを見てみると+5V, −5V ,GND とあるのです。
 それなら、どこかに電源ICがあるのでは...と探したけれど見当たりません。電源入力の側に SIP 縦型インラインの2個入りオペアンプ M5218 がその役目をしていました。
Halfps2
 2個入りのOPアンプの出力に 10Ω を付けて、GNDに接続して中間電位を出しています。この ICは 800mWで出力 50mA の定格があるので、電力的にはミキサーなどアナログ回路を駆動し変動を抑えるのに十分かと思われます。
モーターには 12Vをリップルフィルターを介した後、回転制御をしていましたので、電力的には十分だったと思われます。
 でも何も知らない人が見たら、どうして±5Vを作っているのか判らないし、そもそも、このオペアンプの出力がどちらも GNDに繋がっているのを見ると、どういう働きをしているのだろうかと、悩んでしまいそうですね。

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アナログ」カテゴリの記事

コメント

こちらの記事を参考にモジュール作ってみました。ちゃんと半分になるようです。ありがとうございました。

投稿: やもり | 2018年5月26日 (土) 10時51分

お役に立てて良かったです。
オペアンプはどんなものを使いましたか?
用途によりますが、電流が必要な場合はそこそこ電流が流せるオペアンプが必要です。

投稿: SUDOTECK | 2018年5月26日 (土) 11時06分

コメントありがとうございます。ちょうど手持ちにM5218Lがあったので、そのまま作りました。

投稿: やもり | 2018年5月27日 (日) 14時08分

用途はFN1242Aを使ったDACのアナログ部分の電源とオペアンプの電源です。FN1242Aのアナログ部が5Vなので10Vのレギュレータを通してこちらの回路に入れました。

投稿: やもり | 2018年5月28日 (月) 21時50分

DAC アナログ部やオペアンプ程度なら、この回路で十分ですね。レールツーレールのオペアンプだと電源電圧が 0--+5.5V までと狭い電源レンジのものが多いので、高音質OPアンプに使うには±5Vぐらいがちょうど良いのかも知れません。

投稿: SUDOTECK | 2018年5月28日 (月) 22時19分

PCM5102にも同じ電源を使い回そうと考えているのですが、この回路の電源を単電源で使う場合+5Vをレギュレーターに通して3.3Vにするのと+10Vをレギュレーターに通すのではどちらが良いのでしょうか?

投稿: やもり | 2018年6月26日 (火) 19時49分

 電流値にもよりますが、10mA程度でしたら、+5Vからのほうが電力消費量的には優しいかと思います。
 回路上GNDリターン電流はオペアンプを通っているので、負担はあまり変わらないかと思います。

投稿: SUDOTECK | 2018年6月26日 (火) 21時46分

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