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2016年7月27日 (水)

2SC1815の代替のはなし

2SC1815の代替のはなしとはUnknown

  2SC1815は代表的な定石トランジスタで、TO-92という3本足の挿入型パッケージになっているトランジスタです。
 最近は表面実装タイプばかりになり、ついには日本製でこのTO-92パッケージは無くなってしまいました。現在は在庫か、復刻デバイスとして中国などで生産されてはいます。
 この定石トランジスタは古くは、2SB54,2SA102などのゲルマニウムトランジスタの時代から、2SC372 などシリコントランジスタへの発展、2SC945などオーディオ対応などを経て、電子工作や一般の小信号分野で多く使われるようになったのが、2SC1815です。
 このようなトランジスタはペアと言って NPNと PNPが同じ特性のものが用意されているのも特徴的です。 2SC1815 だったら 2SA1015  で、小信号アンプの出力段やドライバによく使われています。
 しかしながら、将来的に継続して生産が保証されるかというとちょっと心配な点も多く、このTO-92パッケージ版を使うべきか悩んでいました。
 最近 RSなどを調べてみますと、FareChild社が中国生産ですが、代替品の KSC1815 と KSA1015というペアの製品を出しているのを知りました。 2SC1815だと現在全世界で7万個ぐらい在庫があり、引き続き生産も予定されているようです。
Tble1815a
 しかしながら、海外製品はちょっと...と考えるメーカーは多く、やはり最終的には日本製の 表面実装タイプを検討せざるを得ないかと思います。
 上の表は 2SC1815 互換のトランジスタですが、いわゆる普通の大きさの SC-59 という大きさでは 東芝製 で 2SC2712 。もうちょっと小型では 2SC4738 があるようです。また 2SA1162は 2SC2712のコンプリメンタリ品で 2SA1015と互換で使えます。Pkg_idea
 そうするうちに一番下の HN1B01Fという東芝製の複合トランジスタを見つけました。1つのパッケージに PNP と NPNが1つづつ入ったものですが、大きさは上記 2SC2712と同じですがピンが6ピンあり、1個で2TR分使えます。右図のようなピン配置で、同じシリースには PNP 2個入りや NPN2個入りもあります。しかし、残念なことに、このパッケージではせっかく 2SC2712と大きさが同じなのに、代替して使うことができません。もし、一番下の NEW-WTR のような内部接続だったら、 2SC2712のパターにはそのまま、2SA1162のパターンには180°回転して実装することができますよね。
 2個分まとめて使えるのでお得だし、もしもの時には1個入りトランジスタの代替品で使える...ってことで大量生産してくれないかな?
*プッシュプル式のパターン例を考えて見ました。
オリジナルよりずっと楽そうですよ。
Pkg_idea2

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コメント

これは実用新案ものかもしれませんね。
でもNかPのどちらか片方しか使用しない、あるいは互換用の保管が1種で済むことは良いことですが両chをフルに生かそうとするとパターンがクロスしそうで、そうなると現状の物も便利だしな~と思ってしまいます。

投稿: tom | 2016年7月29日 (金) 21時17分

3本足のトランジスタは絶滅寸前ですよね。2SC2712のチップは2SC1815そのものですのでハンドリングに難はありますが特性重視ならば一択です。ちなみに現在入手できる2SC1815はバッタ物ですので特性をシビアに調べると本物とは天と地ほどの違いがありますし、特性バラつきも大きいので使用には注意が必要です。

投稿: 宮川裕之 | 2022年8月26日 (金) 10時50分

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