技術の信頼性のはなし
技術の信頼性のはなしとは
最近請け負ったデジタルパワーアンプの修理ですが、ほとんど電源の故障でした。最近のデジタルアンプは D級でスイッチングするので、放熱板も小さく済むし電源もスイッチング電源なので軽くてハイパワー、おまけに中国製でバカ安だそうで、PA関係の人に聞くと増えているそうです。
1つの例はサージ保護のバリスタが燃えて、爆発しているケース。誤って 200Vをかけてしまったそうですが、ヒューズは飛ばないでバリスタが燃えたケース(ヒューズの意味がない)と、ヒューズが飛んでヒュースホルダが外せなくなり交換できなくなったケース。
後者はヒューズホルダーが以下のような事態に...
取り外して、中を確認しようとしたらもうケースが劣化していて割れてしまいました。ヒューズ両端子が中で溶けて外れなくなっていました。このヒューズホルダーは構成上どうみても 15A以下の物のようですが、ヒューズは 20Aが入っていました。
安全規格上は 100Vなのでこのような事態はあまりないのかと思いますが、20Aのヒューズを切った試験をやってないということですね?
もう1つはスタンバイ状態にはなるが、メイン電源が入らないというケース。
この電源は1次側でPWMスイッチングするだけですが、効率を上げるためトランスを共振させてドライブさせているようで、トランスにシリーズにコイルとコンデンサーが繋がっていました。そのコンデンサーの足のランドが以下のようになっていました。
中央左上のランドですが、足が半田されていません。よく他のランドを見ると半田ノリが少ないところが多々見られます。振動や熱で半田が劣化してイモ半田になる事はありますが、コレはレジストが明らかに小さすぎますね。ここに瞬間に 10A近い電流が流れるにしてはもうすこし大きくすべきですね。ティアドロップのレジストにしても良いくらいでしょう。
安価に生産する技術は発達してきたのですが、修理サービスや販売営業経験が乏しいメーカーでは、なかなか製品の信頼性を保証する経験が重ねられていないようです。日本メーカーも自動車のリコールなど「技術の信頼性」にもう一度立ち戻る必要があるのでしょうか?
1つの例はサージ保護のバリスタが燃えて、爆発しているケース。誤って 200Vをかけてしまったそうですが、ヒューズは飛ばないでバリスタが燃えたケース(ヒューズの意味がない)と、ヒューズが飛んでヒュースホルダが外せなくなり交換できなくなったケース。
後者はヒューズホルダーが以下のような事態に...

取り外して、中を確認しようとしたらもうケースが劣化していて割れてしまいました。ヒューズ両端子が中で溶けて外れなくなっていました。このヒューズホルダーは構成上どうみても 15A以下の物のようですが、ヒューズは 20Aが入っていました。
安全規格上は 100Vなのでこのような事態はあまりないのかと思いますが、20Aのヒューズを切った試験をやってないということですね?
もう1つはスタンバイ状態にはなるが、メイン電源が入らないというケース。
この電源は1次側でPWMスイッチングするだけですが、効率を上げるためトランスを共振させてドライブさせているようで、トランスにシリーズにコイルとコンデンサーが繋がっていました。そのコンデンサーの足のランドが以下のようになっていました。

中央左上のランドですが、足が半田されていません。よく他のランドを見ると半田ノリが少ないところが多々見られます。振動や熱で半田が劣化してイモ半田になる事はありますが、コレはレジストが明らかに小さすぎますね。ここに瞬間に 10A近い電流が流れるにしてはもうすこし大きくすべきですね。ティアドロップのレジストにしても良いくらいでしょう。
安価に生産する技術は発達してきたのですが、修理サービスや販売営業経験が乏しいメーカーでは、なかなか製品の信頼性を保証する経験が重ねられていないようです。日本メーカーも自動車のリコールなど「技術の信頼性」にもう一度立ち戻る必要があるのでしょうか?
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