AM変調のはなし
AM変調のはなしとは
トランジスタの時代でも、終段のコレクタ電圧を音声で変化させてAM変調を行っていました。難点は、送信パワーと同じくらいの低周波アンプがいるので、大出力になると構成が大がかりになることです。 10W ぐらいでしたらいいのですが、100W出力となると、変調アンプも大がかりになります。それで、送信終段のベースなどを変調する方式も出てきました。

つまり、ピークで(変調時の終段電圧は通常の2倍になった瞬間ですが)4倍の出力がリニアに出ないと、きちんとした AM変調がかからないということです。調整がわるくてピークが出ない場合は右図上から3番目の黄色い波形になります。これはピーク電力が出ないので、ピークの頭が凹んでしまっています。実効電力としては変調をかけるとパワーが減ってしまう現象となります。いわゆるマイナス変調って状態です。
一番下はAM変調と同じピークが出る終段の構成での SSB の波形で、ピークでは±2V 出ますので、最大4倍のパワーが最大値ですが、全てピークになる場合は音声が歪んでしまいますので、そこまでは実効パワーは出ません。
昔の CBトランシーバーでは SSB 12W の機種では AM時には電源電圧を 1/2 に下げて CWで 4W 程度に抑え、変調のピークでも飽和しないように工夫していました。
最近はSSBメインのリニアアンプ方式
最近の大方のアマチュア無線のセットは、SSBメインですので、ピークパワーで最大出力を規定して、AMでは SSBのキャリアサプレッションをずらしてキャリアを出す状態で1/4以下の出力レベルの CWとし、ピークパワーまで変調するような形で行い、RF出力段はあくまでリニアアンプとして動作させます。
それでも、トランスでコレクタやプレートに変調かける方式は、トランスで低周波域が程よくカットされるので、抜けの良いAM変調がなにかさわやかだった気がします。SSBの送信フィルターで、高域をカットされないので結構HiFIだったのかも..
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