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2014年5月22日 (木)

デジタルの中のアナログ

デジタルの中のアナログとは

よくデジタルの説明では、スイッチの ON/OFF などが使われていますが、実はスイッチがONになるのはアナログの世界なのですね。力を加えると、物理的な金属板が接触して電流が流れるのですが、微細的にはこの金属が振動して、接触したり離れたりを繰り返しているのです。
Analog リレーなどの接点もそうで、ONさせればなめらかに接触していると思うとトラブルの元です。
 右図はスイッチを CPU で一定間隔で読んでいる状況を考えたものです。スイッチにはチャタリングといって押したり離したりする過渡期にON/OFFを繰りかえす性質がありますが、読むタイミングが悪いと右図のように、1回しか押さないのに3回も押されたと検出し、押し方によってカウント数が変わるなんてトラブルが起きます。
 これはスイッチの内部のアナログ的動作を考えないといけない例です。通常は2度読みなどをして確実な ON/OFFをとらえるようなソフトにします。
もう1つのポイント..待ち時間
もう1つは、アナログが関連するところに常に「待ち時間」の概念があることです。
右図の PLL[Phase Lock Loop ]の動作で考えてみます。
通常 PLL に周波数設定のデーターをセットするとある時間(t1)で周波数が変化してセットした周波数に変更されます。
通常使う場合に色々実験して最適な t1 より少し長い時間を待って、PLLのロックを確認します。ロックがほとんど問題無ければそのまま動作 OK としますが、面倒がってロック確認しなかったり、「最長の時間だけ待てばいいや」とすると、例えば低温時や周波数を大きく変化させた場合、周波数が下限や上限に近くなってロックしにくい場合にはこの t1 ではロック出来ないトラブルが出てきます。
これは PLL のフィルタ時定数やループのゲインなどの要因でチューニング電圧の変化するのが時間がかかり、結果としてロックに時間がかかってしまうのです。
人間の感覚では数mS は無いのと同じくらいですが、CPU 制御では「待ち時間」が必要なレベルです。
この世のほとんどの現象は「ある一定の時間がかかるアナログ処理」であること忘れないで下さい。それはコントロールする側が無視できるか、出来ないかの違いだけでしょうね。

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