OPアンプは理想アンプ?
OPアンプは理想アンプ?とは
OPアンプは入力抵抗や帰還抵抗でゲインが計算できて、また計算どおりに動くのであまり考えずに使ってしまいますが、ちょっと高速な信号を扱う場合や、出力レベルが高くなったときにおかしな動きがトラブルになります。
本当に理想的なアンプなんでしょうか?
よく使う単電源の OP AMP LM358 で見てみます。

よく使う単電源の OP AMP LM358 で見てみます。
ゲインを考える
トランジスタも fT といってゲインが1になる周波数で高域特性を見ますが、OPアンプのゲインを見てみます。ゲイン 0dB は1MHzぐらいありますね。OP AMP 自体は最大 110dB 電圧増幅で 310000 倍ぐらいありますが、マイクアンプなどで欲張って 60dB ぐらいに設定すると、周波数特性は1KHzから高域はフラットでなくゲインが落ちてしまいます。ちょっとこもった音になってしまいますね。
音楽に問題無い 10KHz 程度まで出したいのならば、ゲインは 40dB 程度に抑えなくてはなりません。マイク入力が 10mV とすると 100倍なので 1V ぐらいまで増幅できます。
出力レベルを考える
さらに出力レベルをチェックしてみましょう。右図はゲイン 100倍の時の出力スイングレベルの周波数特性です。電源が +15Vにときに 5KHzぐらいまではフルスイングの 14V p-p 程度は出ていますが、10KHzでは 10Vp-p に落ちてしまいます。これは出力を大きくスイングする時のトランジスタの ON/OFF に時間がかかるためで、出力電圧を大きくとりたい場合は、高速なトランジスターを使った OPアンプで無いと改善できません。
デジタル回路に使ったら
トランジスタも fT といってゲインが1になる周波数で高域特性を見ますが、OPアンプのゲインを見てみます。ゲイン 0dB は1MHzぐらいありますね。OP AMP 自体は最大 110dB 電圧増幅で 310000 倍ぐらいありますが、マイクアンプなどで欲張って 60dB ぐらいに設定すると、周波数特性は1KHzから高域はフラットでなくゲインが落ちてしまいます。ちょっとこもった音になってしまいますね。

出力レベルを考える
さらに出力レベルをチェックしてみましょう。右図はゲイン 100倍の時の出力スイングレベルの周波数特性です。電源が +15Vにときに 5KHzぐらいまではフルスイングの 14V p-p 程度は出ていますが、10KHzでは 10Vp-p に落ちてしまいます。これは出力を大きくスイングする時のトランジスタの ON/OFF に時間がかかるためで、出力電圧を大きくとりたい場合は、高速なトランジスターを使った OPアンプで無いと改善できません。
デジタル回路に使ったら
通常は10KHz程度の信号はOP AMPで増幅できるので、パルスアンプなどの高周波信号を高周波検波 IC で検出して OP アンプで数倍に増幅、スイッチするなどの応用は簡単に考えられます。例えば 周期 10mS パルス幅 100uS ぐらいならば、 普通のOP AMPで十分かと思います。
過去にパルスアンプの出力をサンプリングして出力レベルを制限しようと回路を組みましたが、パルス幅が 1mS など広いときには良いのですが、パルス幅が狭くなるとパワーが出過ぎるのです。よく調べると、立ち上がりが50uSほどなだらかなので、その分サンプリングのレベルが少なくなっていたのでした。 使っていたのは普通のオーディオ用のOP AMPだったので、高速のものに変えて数 uS に抑えました。
1V以下の信号では気にならない出力レベルも、5V程度振らせる場合には OP AMPの性能の確認が重要ですね。

過去にパルスアンプの出力をサンプリングして出力レベルを制限しようと回路を組みましたが、パルス幅が 1mS など広いときには良いのですが、パルス幅が狭くなるとパワーが出過ぎるのです。よく調べると、立ち上がりが50uSほどなだらかなので、その分サンプリングのレベルが少なくなっていたのでした。 使っていたのは普通のオーディオ用のOP AMPだったので、高速のものに変えて数 uS に抑えました。
1V以下の信号では気にならない出力レベルも、5V程度振らせる場合には OP AMPの性能の確認が重要ですね。
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