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2014年2月13日 (木)

突入電流のはなし

突入電流のはなしとは

突入電流は[Rush Current]と呼ばれ、電源 ON した際に瞬間的に規定値以上の電流が流れる現象です。主な原因としては電源ラインにある電解コンデンサーが0Vから充電する際の電流や、ポート等の電位が定まらずにプッシュプル出力CMOSスイッチの両方がONしている状態で電流が多く流れる場合等があります。
ハード的にはCharge
右の回路でコンデンサーC1の充電される瞬間の電流を直列の 0.1Ωの両端をオシロで観測することで突入電流を調べてみます。電源は5Vで常時5A程度流せるシリーズ電源ですが、内部に電解コンデンサーが入っているので、瞬間的には10A程度の電流を流せます。
C1 = 220uF の場合
20140213_850210
電圧は目盛0.2V なので、 0.1Ω ですから 2A となります。ピーク電流は6A近くになり、電流が 1Aに戻るまでは約0.3mS程度かかります。
C1 = 1000uF の場合
20140213_850114
ピーク電流は10A近くになり、電流が 1Aに戻るまでは約1mS程度かかります。
電源に1000uF入れただけで、ピークに 10Aも流れるなんて驚きですね。
C1 = 820u FOSコン の場合
20140213_845908
OSコンではピークの頭が平らになりますね。これは電源の電流容量が足りないためで、OSコンは内部抵抗が小さいため、普通の電解コンデンサーよりもさらに大きなピーク電流が流れます。しかしながら容量値は同じくらいなので、1Aに戻る時間も大差ありません。
今回は 0.1Ωで充電しているのでこの値ですが、抵抗が多ければ、もうすこしピーク値は減るでしょう。
 しかしながらいつも大きな抵抗を入れておいては電圧がドロップしてしまいます。ここに大きめな抵抗を入れて、リレーで電源が入るとその抵抗をショートするようにします。そうするとリレーのON遅れ時間が数 10mSありますので、この間に突入電流を防げることになります。もうすこしコストを下げる場合は直列にインダクターを入れて突入電流を流れにくくします。ついでにノイズフィルターのようにフィルムコンデンサーなどを入れて、外部にノイズを出さないような工夫もします。
ソフト的には
 突入電流に困っていたが、ノイズフィルターを入れたら良くなった。という話も聞きます。ケースバイケースで試してみるのが大事ですね。

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