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2014年1月11日 (土)

カウンターIC のクロックのはなし

カウンターIC のクロックのはなしとは

今年一番のトラブルチェックは、10進カウンターの 4518 についてです。
この CMOS IC は電源電圧 12V で使えるので、便利なのですが最近入手性が悪くなり今まで使っていたのが MC14518B という ON-Semi のものです。
最近入手性が良いのが、 CD4518B という Texas Instruments の ICです。
データーシートを見ただけでは全く変わりがないので、ネットでトラブル報告を調べるとどうやら、クロックの立ち上がりが問題の様です。
Test_cir
このICが時々おかしな動きをするというので、上記回路でクロックに矩形波を入れたり、三角波(立ち上がり/立ち下がりを遅くするため)を入れて実験してみました。
1)通常の出力
Cd_sq13k
通常の矩形波入力では 13KHz でも問題ありません。
2)三角波 13KHz
Cd_sw_13k
三角波にすると今まで 10カウントで1周していたのが9カウントとなり、分周がうまく動作しません。周波数を変えてゆくと、35KHzを超えたあたりで正常に戻ります。
 立ち上がり時間を計算すると、
1000uS÷35KHz = 28.6uS となり、立ち上がり/立ち下がり周期はその半分ですから、
28uS÷2 = 14uS となり、スペックの 5uS 以上というのは満足しています。
元のICはどうか?
では、 MC14518Bはどうかというと、何と500Hz まで大丈夫なのです。
1mS ÷0.5KHz = 2mS 立ち上がり/立ち下がりは 1mS なので 70倍の違いです。 ですから、けっこうな 立ち上がり/立ち下がりのゆるやかなクロックでも MC14518Bは大丈夫なのですね。
このあたりは、カウンターのクロック入力がシュミット入力(入力遷移レベルにヒステリシスがあって、ゆるやかに変化しても素早く切り替わり、一度切り替わったら遷移レベルが動いて逆戻りしにくい構造の入力)になっているものは、立ち上がりが緩やかでも動作するそうです。
データーシートには載ってないし、スペック的には入っているので、安易に交換してトラブルを起こしやすいポイントですね。

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