LPFでデバイダーのはなし
LPFでデバイダーとは
前回の伝送ラインのはなしに続いて、今回は伝送ラインで本来作るウィルキンソン分配器をインダクターとコンデンサーで作ってみるはなしです。
ウィルキンソンデバイダーは右図のように数GHzの信号をパターンで1/4λ、インピーダンス 70.7Ωのラインで2つに分配して、バランスをとるための100Ωの抵抗で出力間を繋いだものです。
しかしながら、数百MHz程度の低い周波数では1/4λの長さが数10cmになってとてもプリントパターンでは作れません。その場合、普通はコアを使ったトランスなどで作るのですが、スポット的な周波数だったら、もっと簡単にできるのではないかと思うのです。
ハード的には
ウィルキンソンデバイダーは右図のように数GHzの信号をパターンで1/4λ、インピーダンス 70.7Ωのラインで2つに分配して、バランスをとるための100Ωの抵抗で出力間を繋いだものです。
しかしながら、数百MHz程度の低い周波数では1/4λの長さが数10cmになってとてもプリントパターンでは作れません。その場合、普通はコアを使ったトランスなどで作るのですが、スポット的な周波数だったら、もっと簡単にできるのではないかと思うのです。
ハード的には
前回は、1/4λ伝送ラインをLPFで作れることを書きましたので、今回のウィルキンソン分配器ではどのような回路になるかというと、下図のようになります。

特性を見るために片方は50Ωで終端して、もう一方の出力の特性を見ることにします。入力側の 7pFはまとめて 14pFでも良いかもしれませんが、判りやすいようにしました。コイルやコンデンサーの数値は切りの良い 7PFと 36nHにしました。この回路の特性をシュミレーションしてみます。

出力は約 3dB落ちで、周波数 315MHzで S11が-30dB以上とれていますが、結構狭い幅だということがわかります。出力特性も400MHzぐらいまでは良いですが、その上はやはり LPF らしく、落ちています。
ソフト的には

特性を見るために片方は50Ωで終端して、もう一方の出力の特性を見ることにします。入力側の 7pFはまとめて 14pFでも良いかもしれませんが、判りやすいようにしました。コイルやコンデンサーの数値は切りの良い 7PFと 36nHにしました。この回路の特性をシュミレーションしてみます。

出力は約 3dB落ちで、周波数 315MHzで S11が-30dB以上とれていますが、結構狭い幅だということがわかります。出力特性も400MHzぐらいまでは良いですが、その上はやはり LPF らしく、落ちています。
ソフト的には
簡単なLPFの回路を繋げただけで分配器が出来るので、アイソレーションなどあまり問題にしないならば、抵抗で分配するよりも効率よく出来るのがわかります。
この回路を応用すれば1/4λを4個使った90度ハイブリッドも作ることが出来ます。
下記の参考文献にその作成法が載っていますので、興味のある方はどうぞ。
この回路を応用すれば1/4λを4個使った90度ハイブリッドも作ることが出来ます。
下記の参考文献にその作成法が載っていますので、興味のある方はどうぞ。
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