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2013年2月27日 (水)

74LS のはなし

74LSとはLs_s_ttl

TTLの種類のことで、[Lowpower Shotkey-diode Logic ]の略です。
 右図はインバーターの TTL 7404 シリーズの内部回路ですが、一番上が通常の TTL で 7404です。
ハード的には
入力段がエミッター入力になっているのがTTLらしいですね。TTLは Lowアクティブが基本で、入力部が Lowに落とされることで、2段目のトランジスタのベース電流がなくなり、出力段の上側のトランジスタが ONして High 出力となります。Lowアクティブが基本なので、ここでは High 電圧は重要でなく、130Ω で電源に繋がっているので、出力に流せる電流は少ない構造ですが、Lowに落とす場合は、下側のトランジスタが ONになるのでトランジスタのコレクタ電流のほぼ最大まで電流を流せます。6個入りの7404で消費電流は H出力時 6mA,L出力時 18mA程度です。
 次の回路は S [shotkey ]タイプの回路図です。
これは TTLのスピードを上げようとして改良されたのですが、現在では消費電流が多すぎるので、あまり使われていません。しかし、高速化の方法が判りやすいので紹介します。
 まず、目に付くのは下側のトランジスタです。ちょっと見るとベースとコレクタが同じ終段のベースに繋がっているので意味ないのでは?と思われますが、これは終段下側のトランジスタのベース電流を制限してこのトランジスタのベースに無駄なキャリア(正孔)が溜まるのを抑えて、OFFにするときのスピードを速めるためです。
もう1つ気付く点は抵抗値が小さくなって電流を増やしている点です。出力のコレクタ抵抗も 130Ωから 50Ω に下げられ、出力段上側のトランジスタをダーリントン接続にして電流を流せるようにしたものです。
6個入りの74S04で消費電流は H出力時 15mA,L出力時 30mA程度です。
 しかしながら電流が大きいため、当時大量のゲートICを使って発熱が増えること、しかも 5Vという低い電圧だったため大電流による電流ドロップなど弊害が多かったため、まもなく LowPower に改良された LS タイプが普及しました。
LSタイプは逆バイアス電圧をショットキーダイオードで制限したり各状態での電流値を制限しただけでなく、入力回路も本来の TTL 構造でなくベース入力に変更してスイッチング電流を減らすなどの改良がなされました。
6個入りの74LS04で消費電流は H出力時 1.2mA,L出力時 3.6mA程度です。
Sタイプはバッファーに生きている
Sタイプの回路が踏襲されているのは、出力電流を大きく、スイッチング速度は速くという要求の74128 などのバスドライバーなどに今も使われています。
20130227_84107
コレクタ抵抗は 30Ωに、例のベースを飽和させないトランジスタも健在です。
このSN74128は出力電流は Lowで 48mA Hignで 42mA 流せますが、すべて同時に流せる訳ではないので、合計電流に注意が必要です。スイッチング速度は 10nS程度。

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コメント

こちらのサイトに載っている74シリーズの内部回路

https://pdf1.alldatasheet.com/datasheet-pdf/view/89853/TI/74LS04.html

の内部回路 少し違いますね

投稿: 李 | 2019年6月10日 (月) 13時34分

どこが違いますかね?抵抗値?
私の転載間違いですかね?
要はSというのはショットキータイプのものを使って高速化した。
LSはLowpower にしたという事です。
これは回路構成のお話しで、今はCOMS では LVとかHCTとかAC とか増えているので、回路上でのシンプルな話では無いですね。

投稿: SUDOTECK | 2019年6月10日 (月) 13時59分

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