CMOS OP-AMPの回路のはなし
CMOS OP-AMPの回路とは
CMOS OP-AMP は最近よく見かけますね。仕事でよく使ったのは Analog Devices社の AD8615ARMZでした。このOP-AMPは最大出力 150mA も出せて、しかも入出力 レールツーレールなのでなんにも考えなくても 5V電源のインターフェイスにつかえて便利でした。しかしながら最大供給電圧が+ 6V までとか、出力が強力なので出力端子にコンデンサー負荷を繋いだりしても、普通にDC動作をしていて「ちょっと熱いな」と、オシロで見ると平気で数MHzの発振しながらも動いてたりします。
ハード的には
初期の CMOSオペアンプは、高入力インピーダンスを目的にしたため、初段だけFETなんて ICが多くて、ポピュラーなCA3140E などがその例です。
そのため、出力レベルは+側が Vcc -2V 程度、マイナス側が -Vcc+0.6V 程度スイング出来ないレベルが出来てしまいます。この辺りが改良されてフルスイングのオールCMOS OP-AMPが出来て来たのです。
次の回路は消費電流を減らす目的でCMOS化されたNJU7061 などの内部回路です。
出力も CMOS化されていますが、壊れないために電流制限のR3が入っているので、逆に出力電流があまり取れない場合があるので、使用する負荷・帰還抵抗の値に注意しましょう。入力には静電気や高電圧入力から保護するためのダイオードが GND 側とVcc側にはいっています。これがある程度高周波領域でのゲインの低下にも結びつきますが、必要ですね。
この回路の他にバイアス回路があるのですが、省略しました。ドレインに一定の電流を流し、ソース側で定電流の負荷を構成してゲインを上げています。Vcc側の P-CH FETとGND側の N-CH FET のゲートのドライブ方法もN3で反転して個別に行なっている等、省電流のための工夫が見られます。
ソフト的には
データーシートを見ると、時々回路例が色々載っています。以下は CA3140のデーターシートにあった回路ですが、懐かしいオーディオ回路がありました。

帰還部分にCRでのハイパスフィルタとローパスフィルタがあり、それぞれをボリュームで−入力に戻すとトーンコントロールになる訳です。MOS OP-AMPだったら同じ定数で動くと思いますので、ちょっと日曜工作にいいかも知れませんね。

オーディオ用途だけじゃなくてもう少し高い周波数...もしかしたらアマチュア無線 7MHzならこんなアンプで出力出来るかも?上の回路で18V p-p は出るみたいなので、1.8MHz〜 7MHz 1W ぐらいSSBではどうでしょう。
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