ありがとう Steve のはなし
Steve とは 亡くなって今日10月5日で一年の Apple 創設者 Steve Jobs のことです。
彼の残したものはたくさんありますが、技術者にとって大事な点は「ユーザーが迷わない」製品作りではないかと私は思います。
この写真は私が持っている Apple製のマウスです。左から黄色に変色してしまった Macintosh SE/30 付属の ADBマウス(初めはもっと白い色でした)。次が LC630 付属の ADBマウス、中央が PowerMac G4付属のUSBマウス( 初代iMacと同じ)USBケーブルは他の用途に外して使われてしまいました。次が Apple Wireress マウス。BlueTooth 接続でマウス全体がボタンになっているモノ。いちばん右が現役の Apple Magic mouse です。全てのマウスに共通しているのが1ボタン(もしくはボタンがない?)ということです。
初期に作られたマウスはXEROX などワークステーションに使われていましたが、3ボタンなどあって、一般人にはどれを押したら良いか迷うから...とSteve は MAC 開発には1ボタンマウスに固執したのです。
慣れてしまうと「 Windows みたいに右クリックでメニューが出て便利」と思い、実際仕事で使うのは2ボタンマウスを使っていますが、初心者にWindowsを教えるときや、使っている様子を見ると「マウスボタンのどっちを押すの?」と悩むときがしばしばです。
そんなユーザーの不安を予測し、「迷わない」製品をデザインし続けた Steve だからこそ、 iPhone や iPad のマルチタッチインターフェイスが実現できたのではないでしょうか。製品を開発しているとき「これをつけたら便利じゃないかな?コストもちょっとしかかからないし」といたずらにスイッチを増やしたり、画面上のボタンをつけたりしたくなります。
デザインを決定するときには大きなプレッシャーがあり「もし足りなかったらどうしよう」から「とりあえず付けておけば」と安易に移りやすいですが、本当に必要なものだけを残すよう真剣に検証し実現する手間をかける大切さを Steveから教わった気がします。
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