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2012年10月31日 (水)

電流帰還型OPアンプの回路のはなし

電流帰還型OPアンプの回路とは

以前の記事で電流帰還型OP-AMPを考えるを書きました。今回は具体的な回路図で説明してみます。
ハード的には
下の図のように通常のトランジスタ2本による差動増幅回路でない点が、特徴です。
差動ではなくプッシュプル入力のソースフォロアーになっています。
Cuop_amp_2
この入力が+入力とすると、このFETのソースが繋がった点がー入力になっているのです。
どうして電流帰還型と呼ぶかというと、このソース抵抗にあたる R1 に出力から R2 によって電流が戻され、結果負帰還となってゲインを決定することが出来るのです。
2段目のトランジスタ(黄色の部分)は初段のFETのドレインに流れる電流を増幅して電圧に変換する働きをしています。出力段はインピーダンスを下げるためのエミッタフォロアーになっています。
このアンプはビデオ増幅を目的にこの回路定数でゲイン6dB、3dB利得が落ちる周波数が 8MHzとなっています。通常の電圧帰還型はゲインを20dBとると周波数数特性が1/10 程度になってしまうのに対して、電流帰還アンプの周波数帯域は半分の 4MHz程度までしか劣化しません。
ソフト的には
このような回路構成であることをよく理解することで、ソースに繋がっているR1や帰還抵抗のR2をあまり大きな値に出来ない点等、電流帰還型の高速OP-AMPの使い方もよく分ってくるかと思います。100MHz帯域を誇るTHS3201などは高速OP-AMPの代表例ですので、使い方の回路例等よく見て参考にして下さい。

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