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2012年6月 9日 (土)

内部抵抗のはなし

内部抵抗とは
 電源や信号発生デバイスなど電圧を発生する源にある抵抗値のことで、その大きさによって電流を流すと電圧がドロップしてしまう原因となるものです。
ハード的には
Intreg
 右図のように電池にかなり明るく光る(電流が流れる)ランプを繋いだ場合を考えてみましょう。単一電池などなら、結構明るく光ります。しかしながらリモコンなどに使う単4電池やボタン電池などを繋いだ場合はどうでしょう?同じ1.5Vの電池でもやっぱり単1電池の方が明るいですね。まして太陽電池を同じ1.5V電圧が出るようにしたものを直接繋いでも普通の太陽電池でしたら明るくつかないか、全くつきません。ランプでなくて模型用のモーターなどでも同じでしょう。やっぱり単1電池やニッカド電池のほうがパワーがありますよね。
 どうして電圧が同じなのにパワーが違うのでしょう?
それは内部抵抗が違うのです。図の V の電圧は同じで、テスターを繋いで電圧を測った場合は電流がほとんど流れていない場合にはどれも 1.5V になるでしょう。しかしながら、内部にある抵抗 Ra や Rb ...これは電池の電極の面積だったり、導体の細さだったり、そもそも電圧発生するイオンの伝送量の違いだったりします。太陽電池などは電子を発生させる量が少なくて電流を流せないこともあります。電圧降下は V = R(内部抵抗) X I(電流)なので、内部抵抗が大きいと電圧がドロップして出力電力が減ってしまいます。
太陽電池だったら、セルの面積を大きくして電子の発生量を増やすとか、パネルを並列に繋げて電流を増やすとかの工夫で内部抵抗を減らすことが出来ます。自動車のバッテリーなども古くなってきて内部の鉛に不純物が付着すると内部抵抗が増えて、いくら充電しても電圧がドロップしてきます。
ソフト的には
 そこで、内部抵抗を等価的に小さく見せる工夫がされてきました。ラジカセで大きな音を出したら、電圧が下がってCDの回転がおかしくなってしまったら困りますね。電圧がドロップしたくない部分にはあらかじめ、必要な電圧より高い電池の電圧を用意しておき、電子的にトランジスターなどでそれよりも少し電圧をドロップさせて設計し、電流が流れてドロップした分だけあらかじめ下げておいた分を減らして安定にさせるよう動作させます。12Vの電池だったら 9V位に安定化させておけば電池の電圧が変動しても大丈夫ですね。
 最近では DC/DC コンバーターなどで、電池が減ってきたり電流が流れて電圧が落ちてきても効率よく安定化することが出来ます。昔のNAKAMICHI のポータブルカセットデッキなどはそんな技術の走りでしたね。内部抵抗は電解コンデンサーなどにも存在するもので、電気を一時的に貯めたり、放出したりする上での効率や、損失にもおおきな影響があります。高周波では内部インピーダンスと呼ばれコンデンサーだけではなく、内部抵抗や内部インダクタンスまで考慮する必要が出てきます。

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