各社PLLループフィルター回路
SCHEMATICSに各社PLLループフィルター回路を追加しました。
1番目の KENWOOD TS-830 はエミッタフォロアーで入力インピーダンスを高くした後にダーリントントランジスタ接続で電流増幅率を稼いだ反転増幅回路になっています。この出力からエミッタフォロアーの入力に帰還されループフィルターを形成しています。
2番目の ICOM IC710の回路はオペアンプを使った一般的なもので、オペアンプに±8Vの電源を使い、入力と出力に比較的時定数の短いCRのローパスフィルタ、帰還として 0.2µFと5kΩ程度の抵抗で大きめの時定数をつくっています。
最後の YAESU FT-757ですが、アクティブ素子を使わない CRのローパスフィルター(ラグフィルター)に 0.47µF と 470Ωで大きめの時定数を作ったラグリードフィルター回路を使っています。
関連項目-------------------------------------------------------
●PLLのはなし
●チャージポンプのはなし
●IC-710 PLL & VCO回路
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コメント
RFデジタルプログラマーさん、お早うございます。
各社PLLループフィルター回路、拝見しました。KEWOODとICOMには、積分回路が入っていますね。PLLの回路は設計したことが無いのですが、私が見かけた範囲では、ループフィルタに積分回路が入っている例は、初めて見ました。以前から「積分回路がないと定常偏差がのこるな」と思っていました。CQ出版のPLLの本でも俗に言うラグリードフィルタが使われています。高周波回路のPLLでは、ループフィルタに積分回路を採用するのは、当たり前の技術なのでしょうか?
投稿: uA709 | 2012年3月 8日 (木) 08時51分
オペアンプやトランジスタを使ってアクティブなフィルターを作る場合、ゲインを決めるだけでなく、位相特性を改善するうえで低めの周波数の帰還(積分回路)を使います。
最近は周波数が高くなると、PLL位相ノイズ改善のためにアクティブフィルターが多用されると思います。Active Loop Filterについてはこちらをご参考に..
http://sudoteck.way-nifty.com/blog/2010/07/active-loop-fil.html
http://sudoteck.way-nifty.com/blog/2012/03/active-loop-fil.html
投稿: SUDOTECK | 2012年3月 8日 (木) 11時57分