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2012年1月11日 (水)

分配器のはなし

分配器とは
 高周波の信号を2つ以上に分けたい時に使います。小電力ならばインピーダンスの低いメインのラインから小さなコンデンサーでカップリングすれば、インピーダンスマッチングに影響なく使えますが、すこし大きめの電力を分配したり、マッチングや出力した双方の影響を受けにくくするには、マッチングした分配器を使うと便利です。F_divider
ハード的には
最も簡単なのは 50Ωラインでしたら 16.6Ω(実際は18Ωぐらい)の抵抗を3本使った抵抗分配器です。周波数特性は広帯域に使えますので便利ですが、抵抗なので損失が出てしまいます。理論的に2分配では電力が半分になるので3dBの損失なのですが、この回路では抵抗のロスで6dBの損失になります。
次にロスを防ぎたい場合はトランスで1:2にして出力側を2分割する方法ですが、トランスでは広帯域(特に低域)の特性が悪くなりやすいですが、スポット周波数でトランスで同調をとる方法を使った場合にはロスの少ない分配が実現出来ます。
市販の分配器にも使われているハイブリッド回路ですが、一度入力側のトランスで50Ωから25Ωに落とした後2個目のトランスで100Ωにしてその中間を25Ω側に接続します。出力側には100Ωの抵抗をつけ、出力の状態がアンバランス時に、この抵抗でバランスを取るよう働きます。
周波数特性を伸ばすにはコイルの巻き数を減らして線間容量をすくなくしたり、高周波特性の良いのフェライトコアを使います。この回路は出力側は20dB程度アイソレーションが取れますので、分配だけでなく合成回路にも用いられます。
いちばん下のウィルキンソン回路はプリントパターンを使って構成する物で主に数GHz以上に用いられますが、1/4λのストリップラインとバランス抵抗で構成します。ストリップラインの段数を多く取って帯域を広げたり、出力分岐数を増やしたりして用いられます。
ソフト的には
 90°ハイブリッドバランも分岐器の一つですが、比較的小さなパワーのアンプをパラレル駆動するために信号を分岐したり、ローカル出力を分岐したりする用途には、市販の製品も比較的高性能のものが安く作られているので、分配器を使うのが便利です。

---------------------------- 参考図書 ----------------------------------
高周波回路設計ノウハウ
トロイダル・コア活用百科

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