高周波トランスのはなし
高周波トランスとは
高周波のデバイスをプッシュプルで駆動する場合等に、入力および出力に使ってインピーダンスをマッチングさせるための変換器。プッシュプルのための位相を反転させたり、出力を合成したりする機能も有する。
ハード的には
右図を例にとると、プッシュプルの出力回路に使う場合に2つのデバイスそれぞれにつける1次側の A,Bと電源供給するためのコモンのCが必要で、出力回路は通常50Ωに合わせて D,Eが用いられる。1GHz以上の高い周波数の場合は、この例では 25Ωのセミリジッドケーブルを使い、外皮側を A-C,B-Cと接続して1時側に使い、芯線側を直列に合わせて 出力側 50Ωとしている。デバイス側インピーダンスが 25Ωよりももっと低い場合はさらにトランスを使って下げることも出来る。しかしながら通常は長さを 1/4λにして動作させるのでそのままでは周波数帯域はあまり広く使えないので、フェライトコア等を使って使用帯域を下げることが出来る。
下の例はアマチュア無線器などに使用される出力トランスでHF帯アンプの出力合成に用いられる。1次側の構成は銅パイプを使って両端に、連続したパターンと半田付けしたCポートと別々に半田付けされたパターンの A,Bで構成される。このパイプの中を出力線として D-Eが巻かれることになり、両方の銅パイプにはフェライトコアにて帯域を延ばすよう構成されている。 D-E の線は被覆線で単線でなく縒り線が用いられ、銅パイプのエッジで傷つけられないよう注意が必要です。
ソフト的には
大型のフェライトを数多く使うことでフェライトのロスによる発熱を放熱したり、低域のロスをおさえることが出来ますが、構成上あまり高い周波数まで使うことは難しいようです。
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