Power ツェナーのはなし
Power ツェナーとは
ツェナーダイオードのパワーのあるやつのことで、規格では 1W 以上のもある。
用途としては電流が流れる所で相対的な電圧降下を安定にするために使うが、例えば12Vから 5V に落としたいときに100mA流れている場所では 12V -5V = 7V 7V x 100mA = 700mW とすぐにパワーが1W位必要になる。また、高い電圧を落とすために 30Vなんてツェナーを使ったが、定格 250mWのものでは 250mW ÷ 30V = 8.3mA しか流すことが出来ません。
ハード的には
今月のトラ技(トランジスタ技術 2011年 12月号)には、「即席サバイバル回路」の特集で回路のノウハウが満載です。そこにあった回路ですが、右図のようにツェナーダイオードの代わりにトランジスタとツェナーダイオードを使って電流をトランジスタに流すことで、大電力のツェナーダイオードと使えるものです。トランジスタを大電流のものを使えば、トランジスタのhfe にもよりますが10A程度までは使えるとのことです。
ソフト的には
以前MOS-FETの 400Vスイッチングドライバで使った200V近い電圧を落とすための数10本のツェナーダイオードも、この回路を使えば部品の数を減らしてさらに電流を増やすことが出来てスイッチング性能が上がったかもしれません。アナログ回路にはレベルシフトという用途もまだまだけっこう多いみたいですね。
--------------- 参考図書-------------------------------------
トランジスタ技術 2011年 12月号
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