セミリジッドケーブルのはなし2
セミリジッドケーブルとは
セミリジッドケーブルのはなしに書きましたが、その続編です。今回はケーブルの損失について考えてみます。 右図はセミリジッドケーブルの呼び名と、COAX社のシリーズ名との関連を含めた、代表的特性表です。良く呼ばれる UT-85はCOAXでは SC-219、UT-141では SC-358と呼ばれています。周波数に関しての損失については表は dB/30mですので、1mあたりでは1/30程度で考えます。内部結線によく使うUT-85 では、0.5GHzでは 0.45dB/m 程度なので、20℃上昇の許容電力は254Wと COAXのデーターシートに記載されています。
これが、1GHzになると損失は 0.64dB/m となり、 許容電力は177Wになります。さらに 10GHzでは 2.21dB/m となり、許容電力は51Wにもなってしまいます。損失を抑えたい場合は、もうすこし太い UT141を使えば、1GHzでも0.37dB/m で 436W 、10GHzでも 1.36dB/m で 120Wと倍以上の電力を扱えます。しかしながら加工のことを考えると、UT-85で曲率半径3.2mm UT141で 6.4mmなので曲げる余裕をみてコネクタやモジュールの配置を決めないと、作ったがコネクタが繋がらない...なんてことが起きます。ちなみに絶縁電圧は UT85で 2.5kV、UT141で 5kVなので 50Ωならば 15kW程度は大丈夫ですね。
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