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2011年9月28日 (水)

A級・AB級・C級のはなし

A級・AB級・C級とは
 オーディオアンプでもありますが、パワーアンプの出力動作点のはなしです。
オーディオでは最近はデジタルのPWM変調による、D級アンプなども現れていますが、今回は高周波アンプの動作点について考えます。
ハード的には
Abclass
 右図はFETのパワーアンプの回路と、ゲート電圧vsドレイン電流特性です。ゲートバイアスが一番浅い(マイナス側でなく0Vに近い動作点)ではA級と呼ばれ、通常の電流(アイドリング電流)をかなり流していますので、ゲートに入力された高周波信号をリニアにドレイン出力出来ます。GaAs-FETなどのデバイスではもっぱらこの動作点で動作するので、1GHz20Wぐらいを出力するのに 12V10Aも流して使います。直線性が良いので、CDMAや QAMなど変調された信号の増幅にもってこいですが、効率が悪く、すぐに出力が飽和してしまいますので、ピーク成分の大きな OFDM信号などでは定格出力に対して大きなピークパワーを満足させなければならないので、現在は実験用や・リニアリティ重視のアンプに使われています。 AB級は GaN-HEMTなどピーク電力と効率を重視したアンプによく使われています。バイアスを深くしてアイドル電流を減らすので、リニアリティは悪化しますが、ピークが出て効率が良いのでデジタル補償回路を使って歪みを減らして、携帯の基地局などに使われています。図の特性から見ると負のサイクルで大きく歪むように見えますが、高周波信号は負荷のコイルなどのフライホイール効果で共振し、反対側の信号も補正されますので、ある程度の歪みは出ますが、高周波信号として正常に増幅できます。
 最後のC級は通常では全く電流が流れず、少しの信号でも流れない程度にバイアスされています。これは上記のフライホイール効果で信号を補正されることを利用して、振幅変調成分のないFM波などに使われ、高周波アンプの多くがこの方式で使われてきました。アマチュア無線のFMトランシーバーなど安価で効率の良い製品が生産されました。
ソフト的には
 では高周波アンプもオーディオのD級アンプのよう、にもっと効率の良いアンプはできないでしょうか?最近はプッシュプル動作の片側をC級動作させてピーク時のみ働かせる「ドハティアンプ」も多く開発され、今後はデバイスの電源電圧を変調波のピークによって変化させることでデバイスの熱損失を減らし、効率を上げようとする試みも始まっています。

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