トランジスターのしくみ
トランジスターのしくみとは
これまでダイオード関連の話を書いてきた使うシリーズですが、今回からトランジスターにすすんでみます。まずは古典的なトランジスターのしくみですが..
ハード的には
初めて使ったトランジスターはゲルマニウムトランジスターで、2SB54とか2SA101とかいういわゆる PNP タイプの石でした。中学生の頃、壊れたトランジスターを壊して開けると中から四角い板に両面ハンダ付けしてあるものが白いシリコン液のようなものに封入されていました。これは接合型トランジスター( junction transistor)で、最も初期の頃はほとんどのタイプがこれで、やがて 2SC/2SDのシリコントランジスターが出てくるとシリコンウエハーの上に不純物を拡散して作るプレーナー型トランジスタ( planar transistor)が主流になってきました。
大学生の頃は実験でこの接合型トランジスタを簡易炉を使って作る実験をさせてもらいましたが、ほんとにN型シリコンの板にP型不純物金属を乘せて焼くだけだったと記憶しています。金属を溶かしてN型半導体の中にP型半導体が再結晶されるのですが、残るN型の薄い層がベース(base)になります。この薄さは1µm程度でここが薄いので電子がすり抜けてコレクタ側の正孔(電子の足りない状態)と結合しやすいのです。 このベースをいかに薄く作れるかで電流増幅率が変わってくるのですが、不純物拡散で作るプレーナー型のほうがやはり有利だったのでしょう。このように構造的にはダイオードのPN接合を2つくっつけた構造なのですが、ダイオードを2つ使ってもトランジスタにならないのは、このベースの薄い構造に由来しているからです。しかしながら動作時にベース・エミッター間はまさにダイオードのように働きますので、ここを忘れないようにしましょう。トランジスタの動作の基本はベースエミッター電圧をきちんと知ることから始まるかと思いますが、その点は次回のお楽しみ。
ソフト的には
製造方法、構造から見てもエミッターとコレクターはあまり変わりませんね。そのとおりで、実はエミッターとコレクターを逆にしてもトランジスターとして動作します。しかしながら性能はやはり落ちますが....
エミッターの語源は[Emitter](電子を放出する)で、コレクターは[collector](電子を集める)に由来しています。接合型半導体で判るように、ベースになる部分の板がトランジスタ構造の基盤になっていますので、これがベース[base](基盤)の語源になったのではないかと思われます。(命名初期は点接触トランジスタだったかな??)
| 固定リンク
「使うシリーズ」カテゴリの記事
- FETを使う(2011.09.16)
- ベース接地回路のはなし(2011.09.06)
- コレクタ接地増幅回路のはなし(2011.09.05)
- エミッタ接地アンプのシミュレーション(2011.09.01)
- エミッタ接地増幅回路(2011.08.31)
コメント
Fantastic line up. We are going to be linking to this excellent report on our web site. Sustain the nice creating.
投稿: diablo 3 wallpaper | 2011年9月12日 (月) 11時23分