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2011年8月 4日 (木)

トランジスタから始めよう

トランジスタから始めようとは
CQ出版社の Elactronics & Computer for Beginner シリーズの ECB No.1 トランジスタから始めようで、シリーズ第1弾の本で、2冊目はECB (No.2)
「アナログICを使おう」でした。
 なぜこの本を紹介したいかというと、「もうトランジスターは使っているから」とか「ちょっと応用がきかなくて困ってる」とか「やさしく原理が知りたい」という人に向いているからです。
内容は
1)トランジスタのしくみ
 トランジスタの理論は簡単に、実物を例にその動作を説明
2)使い方
 1石でアンプの作り方、発振器の製作や出力アンプの製作など
3)応用回路集
 3W SEPPアンプ、500mA定電圧回路、3石SEPPアンプ、2石レフレックスラジオ、6石スーパー、TVサウンドコンバーター、AM/FMワイヤレスマイク、LEDウインカ、風呂ブザーDC/ACインバーターやOP-AMPをディスクリートで作るなど特性例と解説が載っていることです。
 これだけだったら、まあよくある解説本ですが、「電子回路の基礎計算」...オームの法則とキルヒホッフの法則からトランジスタのバイアス回路計算法が載っていたり(このトランジスタをダイオードと電流源で表現する等価回路は解りやすい)、増幅回路のインピーダンスの考え方などエンジニアに対して基礎を身につけてほしいポイントがはっきりしているのも優れた点です。
 今はあまり見られないアナログテスターのしくみや使い方などが解説してあり、ちょっと古いかなと思われますが、メーターというアナログ機器を動かしている電流のはたらきや、実効値の考え方など、今はデジタルテスターが多くて、テスターを付けると電圧がドロップすることなんて心配はないけれど、逆に導通をチェックする際に電流によって抵抗値の変わる半導体などの測定に注意すべきことを思い出させてくれます。
ソフト的には
 売れる解説本でなくエンジニアを育てようという意気込みが感じられるのですが、もう絶版のようでAMAZONから中古で探すしかないようです。ユニバーサル基板での配線の仕方なんか実用的ですが、「僕は電子だ」の中の「電子が一番活躍しているのは,実は電子機器の中ではなくて生物の体の中だ、エネルギーや情報を運ぶのは常に電子なんだ...」のくだりは、普段電子機器を設計するのに考えている電子回路の中の電子にくらべ、実は自分の体の中が一番元気よく電子が働いていることを思うとちょっと感動しました。

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ECB―初歩のエレクトロニクス&コンピュータ (No.1)

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