Latch SW のはなし
Latch SW とは
最近電源スイッチなどでもタクトスイッチで、1回押しても戻ってしまって物理的状態では入っているかどうか分からないので、LEDを光らせてある電源スイッチなどが多くみられる。もちろんマイコンを使っているので本当の電源は入っていて、スイッチが押されたのを感知してマイコンで制御して電源ONさせ、LEDを光らせているのだろう。 しかしながら、セットによっては常時マイコンをONしておくには待機電力がもったいない、本当に必要なときに電源ONしたいが、見栄えがあるので光るプッシュスイッチにしたい...なんてことが結構あるのではないでしょうか?
ハード的には
プッシュスイッチ(タクトスイッチ)を使って電源を入れ、切るときはマイコンで自動で切りたいなんて用途もけっこうあるでしょう。 右図はそのような用途にぴったりで、タクトスイッチにて電源ONし、マイコンにてOFFにする回路です。簡単に説明すると、電源は 2SJxxxのパワーMOS-FETにて ON/OFF制御している。このゲートをGND方向に電位を下げればONするのですが、初期状態では Q1.Q2ともOFFですので、電源は入っていません。スイッチをいれるとQ2のベースに電圧がかかり、Q2はONします。するとQ1はベースエミッタ間の抵抗に電流が流れますので、Q1もONします。そうするとコレクタに電流が流れQ2のベースにスイッチがOFFになっても電流を流し続けることになります。これがラッチ状態です。OFFするにはマイコン等で Q3 のベースに電圧を加え、Q2のベースをGNDにショートして Q2,Q1を再びOFFにします。
この回路の優れた点は出力の動作にかかわらず、Q1.Q2だけでラッチを形成していますので、スイッチを押してすぐ状態を保持しますので、操作性が良く信頼性が高いものです。しかしながら、電源投入時にマイコンから不要な電圧がOFF端子に出てしまわないように注意が必要ですね。
ソフト的には
電源回路には保護回路としてアラーム時にOFFにしたい場合が多いですね。この回路を使えば、アラームが出たときに強制的に電源OFFすることも可能です。しかしながら、マイコンを使わないとOFFするスイッチが必要になるので、やはりメイン電源スイッチのあるような機器への応用が一般的でしょうか?
以下の本の中の回路図を参考にしました。
世界のエンジニアが生み出した『珠玉の電気回路200選』
| 固定リンク
「ノウハウ」カテゴリの記事
- チャタリングのはなし(2014.03.30)
- OPアンプは理想アンプ?(2014.03.14)
- ビアの抵抗(2013.10.15)
- 半田ごての絶縁について(2013.10.10)
- 強制空冷のはなし(2013.07.01)
コメント