NANDでFlipFlop
NANDでFlipFlopとは
ちょっとしたアラーム信号を保持したい場合など、ラッチ式リレーなどで実現できますが、電力を要しない制御の場合CMOSゲートICのNANDを使ったFlipFlop(フリップフロップ)で、状態をメモリーすることが出来ます。
ハード的には 図はNANDゲートを使った FlipFlopの回路です。2つのNANDゲートのお互いの出力を他の入力に接続します。このFlip-Flop回路はRS-FlipFlop といって、2つの入力が SET,RESET とあり、SET端子は出力の状態をセットし、RESETは解除する働きをします。NANDの特性上Low入力での動作になりますので、CMOSの場合入力端子はプルアップしておきます。この回路の特徴は、
1)電源投入時はどちらがHighになるかわからない。
お互いの初期状態で2つの入力が早くHighになったゲートがLowを出力し、反対側がHigh出力します。アラームなど初期化が必要な場合は、電源投入時にリセット回路から信号をもらい、初期化できるようにします。
2)各信号はLowのパルスで状態を反転し、信号が無くなっても保持する。
一度Lowが入力されると、出力がHignになり、すると反対側のゲートの入力がHigh & Highになって出力がLowになり、Low入力したゲートのもう一方の入力がLowになりますので、Low入力をやめてももう片方の入力がLowになっていますので、出力を保持することになります。
3)SET 、RESET 両方 Lowになったときは?
ゲートの制約でどちらも Highになります。この状態が不都合のある場合は、優先する出力からインバーターを使ってもう一方の出力を作ります。たとえば RESET 優先で、同時に Lowになっても Q = L ,#Q (Qの反転の意味)=Hにしたい場合は、#Qを出力し、その出力をインバーターで反転して Q とします。
4)電流を流したい場合は
CMOSなので最大でも25mA程度の出力です。もうちっと増やしたい場合はそのゲートにパラレル(入出力とも)にゲートを2〜3個接続します。デジタル信号なので閾値の誤差は問題ない範囲で動作します。
ソフト的には
今は東芝やRohmの1個入りのゲートシリーズがありますので、1個しか使わないときなどTC7W74などのD-FlipFlopなどで代用できます。NANDでのFlipFlopはゲートが余っているときは有用な回路で、他方のゲートから帰還するラインを抵抗に変えればインバーターでも作ることが出来ます。その際は入力にダイオードが必要ですが....考えてみて下さい。
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