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2011年6月 8日 (水)

製品の寿命について考える

製品の寿命とは
 製品として機能しなくなるには、電解コンデンサーやバックライトだったら容量や輝度が半分になり性能が満足できなくなる、などからセラミックコンデンサーの絶縁不良やタンタルコンデンサーのショートなど、確実に動作しなくなる現象まであるかと思います。製品で寿命に最も影響を与えるのが電解コンデンサーですが、今回は他の部品について考えます。
ハード的には
1)まずは半田付け部分
 一般に電子回路の寿命は個々のデバイスよりもおおきなファクターを占めるのが、半田付けと言われています。部品とプリント基板との接合部分の半田が温度変化で伸縮してクラックが入り、抵抗が増えてやがては断線となります。特に発熱するLSIのBGAなど多くの端子の半田の接続不良などが今日重要です。
 経験的にもインバーターの不良などをみると、2W クラスの抵抗の基板半田付け部分が熱でイモ半田状態になって焦げていたり、整流ダイオードの半田部分が半田クラックで導通不良になったものをけっこう見かけます。設計時に温度が高くなることから半田部分への影響を考慮する必要があります。
2)環境温度変化を少なくする(発熱を抑える)
 電解コンデンサーもそうですが、使用環境温度を規格よりも低くすることで寿命は延びます。
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 表は東芝セミコンダクター社のMIL-HDBK-217による電子部品の故障率予測の説明から引用しました。この図はICパッケージに対する故障率の温度ファクターですが、リニアICを例に取ると 25℃で 0.1 であるものが、50℃になると 0.71 と7倍にもなってしまいます。GaAs MMICでは100倍にもなります。このように積極的に温度を下げることは寿命にも大きな影響を与えます。
3)もちろん部品をへらして故障原因を減らす
 ディスクリートで構成するよりも、ICで機能を満足する場合は部品点数を減らす効果が大きいです。逆に1ポートだけ大電流出力したいだけなのに、8CH入ったバッファICを使うよりも FET1本で済む場合ならばそのほうがコスト・信頼性で有利ということですね。
ソフト的には
 上記電子部品の故障率予測にあるファクターで「環境ファクター」があります。家の中で使うよりも車の中では 8倍、戦闘機(飛行機)では 10倍故障率があがるようです。でも宇宙(飛行中)は地上と同じなんてちょっと面白いですね。

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