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2011年6月28日 (火)

レールトゥーレールOP-AMPの落とし穴

レールトゥーレールOP-AMPとは
以前の記事レールトゥーレール(OPAMP)についてで記載しましたが、OP-AMPには電源いっぱいまで出力出来て、単電源で使える便利なものがあります。今回使ってみて思わぬ見落とした点があったので、参考まで書いてみます。
ハード的には
 使ったのは秋月電子で売られていた2回路入低入力オフセット電圧CMOSオペアンプNJU7062DというOP-AMPです。
 チェックしたところでは 3Vまで使用可能で、レールトゥーレールで入出力出来るものとして使えそうでした。5V電源のCPUのA/Dコンバーターバッファアンプに使うため、単電源 5Vで使用でき、入力が0Vから使用でき、出力も 0Vから 5V付近まで出ることが必要です。
PICが悪いのか?
 PIC18F4550 のアナログ入力に接続し、OP-AMPのマイナス側入力に1.3KΩでGNDに、4.7kΩで出力に繋ぎ、OPAMPではGain= (4.7+1.3)/1.3 =4.6 と 1V程度の入力で使える設計で実験し、入力 0.1V程度で出力 0.5V程度出たので、さっそくプログラムを走らせて確認しました。
 PICは 10BitA/D なので 上位8BIT中2ビットと下位8BITを計算して求めるのですが、どうも上位2BITが0のまま。10BIT値を左詰に設定すれば上位レジスタに値は入りますが、上位2BITは0のまま。ネットで症状を探すと、「古いPICは8BITA/Dなので10BIT時は設定がいる」とかやってみるが改善されず。
原因はOP-AMP?
 仕方がないので、デバッグをやめ、基板を外してOP-AMPの出力を確認してみると、なんとMAX1.2Vで飽和してしまっている!「えー!レールトゥーレールだよねー」と、CPUへの出力ラインを切っても同じなので、本来使用する予定だったµSOP8のちっちゃな AD8616ARMZを変換基板に載せて実験。 これなら万事OKでした。でも完全レールトゥーレールのはずなのに...と、NJU7062Dのデーターシートをよーく見てみると。20110628_91754 こんなグラフが..ありました。要は「出力電流が 100µAまでしか出せませんよ。」ってことです。帰還につかっている 4.7KΩと1.3KΩが出力に繋がっているのでこれが負荷になっていたのでしょう。6kΩ X 100µA =0.6Vなのですが、入力電圧が1V程度に大きいので、ちょうど 1.2Vぐらいで飽和してしまった様です。
ソフト的には
 NJU7062Dのデーターシートをよく見ると
----------------以下引用----------------------
■ 概 要 NJU7061/62/64 は、低入力オフセット電圧を実現した 1 回路、2回路及び 4 回路入りの C-MOS オペアンプです。 低入力オフセット電圧(2mV max)及び低入力バイアス電流(1pAtyp)により、グランド電位近辺の微小信号を増幅することができ ます。
また、動作電圧は 3V (min)と低電圧駆動が可能で、出力は電源 電圧範囲内でフルスイングが可能です。さらに、消費電流は 150μA(typ)/1 回路と低く、特にバッテリ 駆動の各種機器に幅広く応用することができます。
-----------------------------------------------
と微小信号増幅と低消費電力が売りのOPーAMPです。帰還抵抗をあと1桁大きくすれば問題なかったですね。確かに低消費電力のセットの設計で、帰還抵抗で 1mA近く消費する設計はありえませんね。今回ICを外した後でこの原因が解ったのですが、とかくデーターシートには弱点はあまり明確に書かれていないので、そこをチェックできるのが「経験」でしょうかね?高速なOP-AMPでやたら電流を消費して熱くなったり、電源電圧が 15V MAXなどの制限があったり、出力にコンデンサーをつけたら発振したとか..
●今回の勉強.....レールトゥーレールOP-AMでは出力電流能力にも注意が必要。


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