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2011年5月 2日 (月)

RESET 回路のはなし

RESET 回路とは
CPUやデジタル回路で電源投入時などに初期状態にするための回路です。電源が入っていてもリセットスイッチで同様の信号を発生させ電源投入時と同様の状態にすることが出来、通常Lowアクティブな信号を生成する。
ハード的にはReset
 主として抵抗とコンデンサーによる時定数回路で遅延を作り、電源ON後のしばらくの間 (50mS〜300mSぐらい)LOWにしておいて、CPUの発振回路の安定時間や周辺出力ポートの初期化などが終了するまでの時間待ちを行う。 簡易的には右図のようにコンデンサーに電源から抵抗でプルアップした回路で、電源投入時はコンデンサーが充電されていないため電位がLOWとなっており、時間につれてプルアップ抵抗で充電され、電圧が上昇する。実用的にはこのOUTをシュミット回路などヒステリシスのある入力回路(マイコンなどのRESET入力ポートはそうなっている場合が多い)で電圧を検出してリセットを実行・解除する。 図に入っているダイオードは瞬時の電源停止にも対応するためで、立ち上がりに 300mS程度の時定数をとると、逆に瞬時の電圧降下時にリセットが反応できなくて、周辺回路が電源が切れて初期化が必要なのにマイコンはそのまま動作している場合を防ぐため、電圧降下時はすぐにコンデンサを放電させるためにつけている。 また、リセット専用ICなるものもあり、内部に基準電圧を持ち、電圧がある程度下がるとリセット信号を出したり、立ち上がりだけ外付けのコンデンサーを使ってリセット時間を設定できる物もある。
ソフト的には
 長期的な製品では考慮すべき点が、この時定数回路での電解コンデンサーにあります。電解コンデンサーは寿命があり、電源近くなど熱のある場所では寿命が短くなり、ショートや,容量抜けの故障となってあらわれます。その際、RESET回路では ショート時....RESETが解除されない。 オープン時...リセット時間が足りなくて誤動作する。 などの不具合が生じます。最近は大容量のセラミックコンデンサーがありますので、寿命的には改善されました。昔のMAC Classic や SE/30などモニター一体型のパソコンでは結構内部の温度が上がって、5年ぐらいで電解コンデンサーが不良になって故障した事例がありました。私自身も故障箇所を調べて、このリセットに使ってある電解コンデンサー 1µF の不良を見つけて交換してパソコン通信の会議室で報告した覚えもあります。現在でも時々電源を入れて動作するのを確認してます。


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