ダイオード整流回路を使う
ダイオード整流回路とは
ダイオードを使って交流を整流して直流にする回路です。交流商用電源を直流にする用途や、インバーターに用いて電圧を昇圧するなどの用途に加え、高周波を電圧に変換する用途にも応用できます。
ハード的には
1)半波整流回路
ダイオードを使って整流する基本は、ダイオードを1本使って交流サイクルの半サイクルのみを整流する回路です。直流出力はコンデンサーで平滑するので、負荷によって電圧は変動しますが、交流100Vの場合、実行値で100Vということはピークで√2倍 141Vとなります。よって整流出力は 141Vとなりますが、半波のみ使用するので効率が悪く、半波ごとの脈流が残り,リップッルも多く出ます。
2)両波整流回路
ダイオードを2つ使って、正負の両方のサイクルを整流します。主にトランスなどを使った場合にセンタータップを利用して使う回路ですが、半波整流回路よりもリップル・効率を上げるため改良された回路です。
3)倍電圧半波整流回路
正負の両方のサイクルを個別に整流し、それらを直列に加えて、2倍の整流電圧を得ることが出来る回路です。2倍の電圧になりますが、グランドが入出力で異なるのでトランスなどを利用する場合は有用です。
4)コンデンサー入力倍電圧回路
入力にコンデンサーを直列に入れた回路で、負のサイクルにコンデンサーに充電しておき、正のサイクル時にコンデンサーに充電した電圧と正のサイクルを直列に合成して倍の電圧を得ル回路です。高周波の検波などにも利用できる回路です。
5)ブリッジ整流
ブリッジダイオードを使って交流を両波(全波)整流する回路。AC入力スイッチング電源などにもよく使われる効率の良い回路です。4つのダイオードが1パッケージに入ったものが使われています。
6)コッククロフト・ウォルトン回路
ダイオードとコンデンサーをハシゴのように積み重ねて何倍かの高電圧を作成する回路。高い電圧を作るのに有用ですが、低い電源電圧の場合はダイオードの順方向電圧のロスが大きく、電源電圧5Vの場合、シリコンダイオード(順方向電圧0.7V)の場合、4倍回路でも 5V x 4 - ( 0.7V x 3 )=18V 程度となります。
ソフト的には
高周波の検波はバイアス回路などが重要で、入力側にコイルが必要になったり、小信号の場合には抵抗でバイアスをかけたりする必要があります。
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