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2011年4月12日 (火)

水晶発振子のはなし

水晶発振子とは
 いわゆるクリスタル発振子で、マイコンのクロックや、時計の基準発振器に使われている水晶から切り出した振動素子です。
ハード的には
 水晶から色々な方向で切り出すと、厚み振動や、ズレ振動など交流を加えるとある周波数で鋭い共振特性を得られる。この共振振動が水晶発振の原理です。まずは切り出し方向についてはU0o6860000028b4o
 図のように色々な方向について名前がつけられているが、いちばん多く使われて有名なのが AT カットです。また、時計の基準周波数のように 32.768kHzという低い周波数がほしいけれどそのままでは大きくなってしまうので、音叉のような形に切り出して低い周波数を実現しています。(図の赤い○で囲んだ部分) また、切り出し方で振動周波数の温度特性が変わりますが、温度特性の面でもATカットが優秀です。Cvo_character_img1_2 このATカットの温度特性で特徴的なのが、温度が下がると1度周波数が上がってから下がっていく点です。この特性なので、全体的にはフラットに近くなるのですが、温度の低い-40℃で良かったからと言って、0℃や -10℃あたりを測定し忘れると、実はかなり周波数が高かった...ということもあります。この-10℃から0℃あたりは ATカットの鬼門ですね。
ソフト的には
 本当に安定な水晶発振器が必要ならば OCXO というオーブン(恒温槽)内蔵の発振器が良いですね。基本的には高いけれど最近は小さくて安い物も出てきました。しかし精密温度機器なので、出荷時の検査に時間がかかるそうで、納期が長いのが欠点です。


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