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2011年4月14日 (木)

水晶発振子の負荷容量のはなし

水晶発振子の負荷容量とは
 はじめて水晶発振子を注文する時に周波数と大きさ(ケース)はいいのですが、「負荷容量はどうしますか?」と聞かれて困ったことがあります。水晶発振子の負荷容量について書いてみます。
ハード的には
Image8 水晶発振子を発振させる回路で代表的なものは右図のようなCMOSインバーターをつかったものが多いですが、ICの中に入っているのも同様な回路だと考えられます。
 水晶振動子は等価回路で考えるとコイルとコンデンサーが直列になったものですから、このようにインバーターの入出力に帰還のように入れて、ちょうど位相が180℃反転する周波数で発振することになります。この際水晶発振子の両端に入れるコンデンサーと、ICの入出力容量が水晶発振子の容量としての負荷になり、この値が決まっていないと他の定数で作った場合、発振させると周波数がずれてしまうことが起きます。
 代表的回路では、C1=C2=22pF程度ですので、これで計算してみますと、水晶からみてC1,C2は直列ですから、容量としては C0 = ( C1×C2)/(C1+C2) =( 22×22)/(22+22) =11pF となります。CMOSゲートの入力容量を含んだ基板の浮遊容量を3〜10PFと言われていますので、ここでは 5PFとするとこれを加算して、水晶振動子の負荷容量は 11 +5 = 16PF となります。 メーカーさんによっては「定数入りの発振回路を頂ければオッケーです」とか「使うICやCPUの型番でオッケー」なんてメーカーもあります。
ソフト的には
 発振回路の定数に関しては、RfはCMOSインバーターを閾値付近のリニア領域で使うための帰還抵抗で、330kΩ〜1MΩ程度、RdはCMOSの出力レベルが大きすぎて水晶に高電圧の負荷がかかるのを防ぐためで560Ω〜5.6kΩの抵抗を使いますが(周波数が高いほど小さくする)、あまり大きいと発振しにくくなりますので、実験時は大きくしてして発振が不安定になる値の5分の1以下になるようにしましょう。

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